oohama5656's blog

日々の思いを言葉に出来るといいなあと思っています

「鎌倉殿の13人」32回 不確かな親族の愛情

 


「鎌倉殿の13人」で頼朝の息子頼家が妻子を殺されたうえに将軍の座からおっぱわれる場面で号泣して泣き伏す場面を見ていた。

大河ファンはしらけるかもしれないけど、北朝鮮金正恩が浮かんできた。うわさに聞く彼は人としてとんでもないらしいけど、頭が良いため暴力的な権力者の家庭の宿命を感じさせるんである。

 

歴史ものを見てると彼のような名門の長男の悲劇は多い。権力者の長男なので家臣が寄ってたかって囲い込む。そうすると親子の縁が薄くなる。

たぶん、頼朝でさえも息子にへだてを感じていたんだろうと思う。彼も嫡男として親に隔てをおかれたんでわかっていたとは思うけど。素朴な田舎の人だった母親の政子はもっとだろう。

 

取り巻きは愛情があるとは限らない。へたすると利害だけということもある。

そこで起こる悲劇の一つなんだろうなって思う。

 

吾妻鏡はありがたいなって思うのは、ほとんど心情がわからない彼の気持ちがほの見えるとこですね。京都の落ちぶれた中級貴族だった文官たちが理想として、ありのままをと記録していたことが有難いなって思う。

 

彼が泰時の諫言に腹を立てたのも、泰時が親や政子の愛情を背景に偉そうにしてるからで、唐突に実朝の乳母父である阿野全成を討ったのも、多分、陰口いいの実朝の乳母である叔母への怒りだろう。

 

そして、今回の大河では省かれているけど、仁田忠常の富士の風穴探検と朝比奈義秀の豪胆。頼家時代の数少ない楽しい記憶として記録されているのはつらいな。

多分、豪傑に憧れる青年だったのだろう。弓の名人だったし、蹴鞠が好きな体を動かすことが好きな青年だったように思う。若いあんちゃんだったんだと思うと涙します。

 

 何よりもかばってくれるはずの父親が早く亡くなってのはきつい。そして、親族の愛情は濃淡があるから、まして、祖父母なんかは自分で育てないから、たくさんいる孫に対してはよほど縁がないと冷たいよなって思う。

 

 話は修善寺の悲劇に進む。昔、新歌舞伎の代表として岡本綺堂修善寺物語、結構上演してたよなって思う。うん、岡本綺堂好みの残酷秘話だと感じる。ほんと救いのない話だ。

www.nhk.or.jp