oohama5656's blog

日々の思いを言葉に出来るといいなあと思っています

2019-06-01から1ヶ月間の記事一覧

「源氏物語」物語は、なぜ始まるか。巻8「宇治十帖」テーマは繰り返される。

源氏物語のラスト、「宇治十帖」は紫式部の作品なのかと、ずっと源氏オタクのなかで言われています。というのは、登場人物が欠点のある人ばかりであること、今までの華やかさがないからだと思います。書き切れてないところも多いですし。でも、今までいろん…

「源氏物語」物語は、なぜ始まるか。巻7「若菜」陰々滅滅編

「若菜」では、女三宮という女性が登場します。女三宮は源氏の元天皇の兄の娘です。兄が出家にあったって、有力者である源氏の正妻にという話が持ち上がります。最初はめんどくさいと断っていたのですが、藤壺のめいで美女であるということを知って受け入れ…

「源氏物語」物語は、なぜ始まるか。巻6「玉鬘」誘惑編

大学のゼミで主に勉強してたのは「玉鬘」の巻です。なぜか、ゼミの先生がこの巻であることを発見したからですね。でも、実際、この巻は波乱万丈でとても面白い巻でもあるのです。 ヒロインは物の怪に取り殺された女性夕顔の娘、玉鬘です。ちなみに玉鬘とは美…

「源氏物語」物語は、なぜ始まるか。巻5「若紫」転換編

「若紫」は母に亡くなられ、父に冷たくされている美少女が登場します。京都郊外の北山の寺にいる少女の愛らしさ、哀れさ、源氏物語の屈指の美しい場面です。それを覗き見る不幸な青年の純情。青春の哀愁です。そして、少女は青年に救い出されます。あまたの…

「源氏物語」物語は、なぜ始まるか。巻4「若紫」展開編

巻2で書いた通り、若紫が書かれたあと源氏物語は長編化したというのはほぼ事実だと断定されています。これは千年にわたる源氏研究者の集合知です。 源氏物語は貴族が落ちぶれて平家物語などの琵琶法師が音楽とともに語る軍記物がはやると廃れました。庶民が…

「源氏物語」物語は、なぜ始まるか。巻3「若紫」プロローグ

私が大学の国文科で源氏を学んだのは中学時代に貸本屋で読んだ白土三平の「忍者武芸帳」にはまったからです。代表作「カムイ伝」も団塊の世代しか知らないんじゃないかな。画家である白土の父は小林多喜二の盟友で共産党の活動家です。のちに脱会して、もの…

「源氏物語」物語は、なぜ始まるか。巻2「夕顔」

夕顔の花です。昔、近所にありましたが、夏の昼間早くに咲いてます で、「夕顔」の巻のはなし。光源氏が京都の下町に病気の乳母をお見舞いに行った帰り、ぶらぶらしていると風情のある夕顔がからんだ塀があったのですね。その家を興味深くのぞいてみると「め…

「源氏物語」物語は、なぜ始まるか。巻1「空蝉」

「空蝉」の一場面です 高校時代、国語の副読本の源氏物語の紹介ページが好きでした。美しい題名もだけど、どうしてこんな複雑な物語がつくれるのか不思議だった。「すずし」という夏の乳がすける着物がイラストが気になった。あれって実在するの、実在したそ…