oohama5656's blog

日々の思いを言葉に出来るといいなあと思っています

「シン・ウルトラマン」はホラーだ


 話題の「シン・ウルトラマン」見てきました。斎藤工の主人公、神永がぴったりだなって感心した。斎藤工という俳優さんは若い時からNHKがえらく押してて、時代劇の主役なんかもやっていたのだけど、何かはまらない俳優さんだった。

 浮遊感がある。だから、今回の宇宙人ウルトラマンの役はピタッとはまって感心した。演技力もだけど、もともと美男なんで説得力ありますね。

 このまま、個性的な脇でスタッフ的なことが好きな人で終わるかと思っていた。だから、アタリ役ができて良かったねと思っている。

 そして、ウルトラマンはわからない人は怖いというホラーなんだなってしみじみ感じたのだった。

 メフィラス星人を演じた山本耕史もよかったですね。元々変な人だが、「昨日何食べた?」の小日向さんで自分の変を肯定してから吹っ切れた感じするな。

 あれは人を見下す人のパロディだと思う。今ははしたないとされてて隠すけど、チラと見える人いますな。善意がベースだと本人が思っているから、努力するし、たちが悪い。笑ってあげましょう。ああいう人も疎外感がごまかそうとしたのが元々だと思う。

 人は分かり合えない。ウルトラマンは沖縄出身の金城哲夫さんの体験をベースに戦争を体験した人々、たぶん、庵野さんのお父さん世代の人々がそのメッセージを子供に伝えたかったのだろう。それは人と人は分かり合えないという恐怖だったのだと。それでも私は人間が好きだという願いにも似た思いだ。

 ウルトラマンはその思いを若々しい情熱と圧倒的なビジュアルセンスで描いたので歴史に残ったんだと思う。再放送、今見ても美しいなって思いますもんね。

 今回、改めて原点であるウルトラQを導入にもってきて、造形の成田亨さんのコンセプトを忠実に再現している。ウルトラマンがすくっと立ってスぺシュウム光線を放つだけで幸せでした。

 ウルトラマン円谷プロ集合知で作られたものなので、各話色合いが違って面白い。切り口が色々とあるので、ぜひ、新シリーズが見てみたいなって思った。大変ですけど。

 私はちなみにウルトラマンの話で「帰ってきたウルトラマン」の「怪獣使いと少年」が一番好きです。

このシリーズは松葉杖の岸田森が印象的だった。あ、そうか。結核の後遺症で足をひきずっていた父に似ていたのだな。

お父さんたち、あなたたちの体験は子供たち、孫たちに伝わってますよ。

彼らは新しい物語を紡ぐと思う。