東京都現代美術館の「GYEKYO 横尾忠則」行ってきました。
横尾さん自身がtwitterで最後の大きな展覧会になるだろうとおっしゃっていた展覧会なので、どうしても行きたかったです。
横尾忠則さんは日々、息をするように作品を作られている方です。だから、まとまった数の作品を見ることに意義がある作家さんだと思っています。
同じモチーフを少しづつ変えていく。繰り返しの快感があります。
今回の展覧会は皆に人気の分かりやすいテーマ作品に絞られてました。また、海外を含め多くの美術館に所蔵された作品が里帰りしたかのように、まとめられていました。単独で分かる作品も多かったです。いい展示だなって感じました。
Y字路シリーズの展示が充実していて、実在のY字路の絵の展示から幻想のY字路、そして、東日本大震災時でのY字の絵がありました。
東日本でのY字。人がいなくなるとY字路自体が成立しなくなる。道が無くなる。その無の世界が表現されていて、胸が詰まりました。
滝シリーズも今回は数点の展示でしたが、制作過程で集めた滝の絵葉書を集めた展示作品が素晴らしかったです。本の展示もありました。
そして、最近の作品。猫のたまへの追慕の絵画や名画へのオマージュ。大谷翔平へのリスペクトの展示作品。若い二人の女性が「大谷君にあげてほしいね」って笑顔で語っていて、思わず「そうね」って話しかけてしまいました。
そして、最後にポスターになった自画像がごあいさつ。
絵を見て感嘆した観覧客の人に、素晴らしいわねって語りかけられたり、学芸員さんと短くお話したり。緊急宣言解除の直後なのかもですが、すごくなごやかな展覧会でした。
アートに触れるよろこびが共感できるのって幸せです。そういえば、私も1年以上前にゴッホ展に行ったきりだったな。そういう人が多かったんだと感じました。
ちょっと、横尾さんの生前葬のようだなって悲しみも感じたのですけど。横尾忠則現代美術館で、まだまだ、新作を発表されると思うので、ご縁がある方は神戸に行って見てください。今回の展覧会で販売されたグッズも同じように置かれています。
今回の展覧会は10月17日までです。予約チケット前日に取ったんですけど、ほぼ満席だったので、ご予約はお早めに。一人の人の中に宇宙がある。どの人にもある。それを感じられる。横尾忠則の素晴らしい作品群です。