行ってきました。
やはり、圧倒されました。
漫画の原画は物語の過程なので、展覧会で原稿を見てもピンとこないことが多いですが、三浦健太郎の「ベルセリク」は違う。ひとつの場面にたくさんの情報が描かれています。一枚絵の連続を見ている気がします。だから、一度、原寸大の原画がみて見たいなって思いました。部分的に今後展示されることはあるけど、こういった、まとまった形はまずないかもしれないと思い行ってきました。
ベルセリクのことはこれで知りました。まだ、新聞そのころ取ってたな。
こんな漫画があるのか。コメントもすごくおもしろかったです。そうか、わたしも「どろろ」好きです。ストーリーは多神教的で日本的です。北斗の拳のケンシロウの顔を主人公に、中世風ファンタジーの絵が乗っかっている。
その後、配信でぽつぽつと見てました。
作者の三浦健太郎さんはご両親が絵を描く人みたいなんで、間違ってるかもしれませんが、社会人野球の選手の父とバトミントンの名選手だった母の間に生まれた大谷翔平みたいだなって感じています。背景が、明治からの野球の歴史の結晶みたいな彼に似てます。
彼は西洋絵画教育の結晶みたいな人だと思う。ヨーロッパの中世の絵画や銅版画を参考に独自の世界を展開していてびっくりしました。
逆に欧米なんかではありふれた歴史上の古いものなのかな。フランスの漫画、バンド・デシネとかにはない表現かもしれない。
あるとすれば、マーベルなんかのコミックなのかな。しかし、絵柄は抽象化されているものなので、すごく独自性があります。
普通はね、ヒエロムニス・ボスとか、ブリューゲルなんかを再現したいと思わないです。ただ、水木しげるはボスをネタの一つにして「悪魔くん」を描いているようで、ホラー漫画は部分的に取り入れているみたいですね。
音楽で言うとペルシャ系のインド人だったフレディ・マーキュリーとかかな。あの音楽世界もクラシックや西洋史がなだれ込んでますね。映画だとイギリスでインド系の人がエリザベス女王やらの歴史的映画を結構作っているの驚きます。
欧米の文化を受け入れざる得なかった、中国みたいながっちりした枠組みのない国々で起こることなんかもしれません。
三浦健太郎の盟友の羽海野チカと親しい絵本作家ヒグチユウコもいますね。中世的な絵を描く。もう、日本の絵画世界は東洋とも西洋とも違う世界なんだろうと思います。
その世界観が欧米に潜在的に影響力をおよぼす。面白いです。
展覧会はたった二週間で驚くべき人出だったみたいでした。その後、大阪の枚方パークで展示されるみたいです。
もうちょっと、いい会場ないのかな。これから、全国を巡回しそうです。すばらしい絵画世界です。ご縁を感じた方は行って見てください。