ずっと、読んでた、よしながふみさんの「大奥」が完結したので本屋さんへ。
16年か、お疲れ様です。大好きな時代物で恋愛もの、ホラーとしても楽しかったです。
最近の家茂と和宮のブロマンスなユリ設定も面白かったですけど、綱吉、家斉の性依存の話、眼からうろこだったな。女性はさげすまされるて問題視されるけど、男性も、男の甲斐性ってことになっているけど、深刻なことなんだと、心が荒むのってつらいんだと、初めて気が付きました。社会と性、その中で切実な恋愛、読み応えありました。
特捜版って、初めて買いました。萩尾望都先生、彼女の同人誌のテーマだった銀英伝の田中芳樹先生のメッセージがうれしく買ってよかったです。
今、ごひいきの漫画家、磯谷友紀さんのメッセージものっていたの嬉しかったな。彼女の「ながたんと青と」大好きで読んでます。
一緒にって、迷ったんですけど、この本も買いました。
先日見た映画「すばらしき世界」の原作である佐木隆三の「身分帳」も。この本、長らく絶版になっていたんですね。代表作「復讐するは我にあり」もいっとき絶版になってたみたいです。
佐木隆三さん、犯罪が起こるとワイドショーに気さくに出られたりしてましたね。
しかし、本はそんなに売れてなかったんだな。
田口ランディさんが「逆さに吊るされた男」でオウムのことを描いたとき、お会いした様子が描かれてました。そこで彼独自の事件の解釈を知り、戦争の地獄を生き抜き、いろんな経験を経た人なんだなって感じました。いつか読んでみたい作家さんでした。
私は怖がりなんで、代表作である「復讐するは我にあり」の原作も映画も見てないです。でも、映画が心に残ったので、今回、思い切って読んでみようと思いました。
ほんと、映画いいのです。監督、脚本の西川美和のオリジナルな最期が身に沁みます。人間にの愚かさ美しさ。犯罪者であってもよきものがある人を絶望させもし温めもする。
血が通った役所広司の体を通して表現されている。ちょっと、忘れられない映画になりました。原作もですが、軽みがあるので、すっと心に入っていく。
原作は彼女の解説が新たに付け加えられてています。原作のテーマとしては棄てられた子供たちなんですね。主人公のモデルが戦災孤児だった実在の人です。
彼らの悲劇は、今も世界中で起こっています。だからでしょうか、映画は今に翻案されて描かれています。
最近、そういえば朝ドラや漫画、そして映画でも、棄てられた子供たちのことが、描かれてますね。驚きました。みんなが、そのことについて考え出した感じですね。
そういった体験が子供をどうゆがめたか、そして、男がどう悪をなしたか。
しかし、そのあとに社会に放たれた彼がどう生きたかをこの小説は描いています。
そして、その体験を理解する人は意外に多いこと、そして、何とかしようする周辺の人々が描かれ、人間への希望が感じられる小説でした。
西川美和さんが映画作りのために旭川の刑務所にも福祉施設にもいかれています。その体験談も今の現実が映っていて心にしみました。