oohama5656's blog

日々の思いを言葉に出来るといいなあと思っています

チェーン店をけなす前に「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」

 

ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ(字幕版)

ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ(字幕版)

  • 発売日: 2018/01/24
  • メディア: Prime Video
 

  前から気になっていたマクドナルドチェーン店の創設者の映画を見てみた。こういう時、ネット配信の映画ってありがたいなって思う。映画館が好きだけど出かけていく手間を考えると選ばざる得ないから。

 マクドナルドの創設がマクドナルドさんたちで、チェーン化したのはそれを乗っ取った男だという悪評は知っていた。で、どんな風にいやなやつだったかって興味があった。まず、知ったのはマクドナルドは最初からおいしい料理を追求した店ではなく、ハリウッドで映画館を経営していた兄弟のエンターテイメント系の店だったことだ。フォード式のキッチンの効率化があり、そこそこおいしくて、清潔で家族向けの店だ。

 差別された人生経験豊富なユダヤ人、レイ・クロックはこの店がアメリカの効率化や白人中間層の幻想を形にした店だと見抜く。それは彼自身も夢見ていたことだったから。マクドナルド兄弟が会社を乗ったられたのは気の毒だけど、誰でもうまく経営できるマニュアルを作った時点で拡大は自然な形だったんだと思う。彼らが考えたマニュアルを忠実に必死に守ってお金を支払い、フランチャイズオーナーの利益を優先したクロックは充分に誠実だ。たぶん、拡大につれてのマニュアルの変更を許さない頭のかたさだとせいぜい10店舗ぐらいのユニークな店で終わったと思う。世界にあまねくチェーン店なんかいらない。確かに、それはレイ・クロックの問題だ。でも、おいしさと町の人との交流を目的としたありふれた店ではない可能性をもった店だったのだ。

 レイ・クロックがフランチャイズオーナーの妻を奪ったことも描かれている。マクドナルドの名前がほしかったという言葉もえぐい。でも、アメリカの文化とは何かって考え、その恩恵と罪について考えると、この映画の公平な表現は正しいと思う。それは物語でしか実感できない複雑なものなのだ。