- 作者: H.R.ギーガー
- 出版社/メーカー: タッシェン・ジャパン
- 発売日: 2007/10/31
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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続きです。この映画を見に行く事は、結構、迷ったのですね。なにせ、ホドロスキーのことは、全然知らない。失礼かもしれない。しかし、なぜ、「Dune」だったのか、確かめたくなりました。
ここから、ネタばれ、ありますが、お許しください。まず、この原作は、70年代の問題をきちんと、とらえてたのだなと、思います。だからこそ、彼だけでもなく、日本の片隅の中学生たちも、引きつけたのです。このなかで、砂虫 サンドワームって言う存在が出てくるのですが、これが、ミミズそっくり。そして、腸、そっくりなのです。 原作は、私の文章力では、なのですが、なんというか、欲望の肥大という事を、問題にしているのだなと、思います。
ホドロスキーは南米のカルトな映画作家で、ヨーロッパで。ずいぶん人気のある人だったみたいですね。この映画は、フランスで、企画されました。制作者が、あのレア・セドゥの親戚であることも、驚きでした。根っからのチャレンジャーの家系なのですね。
そして、ホドロスキーはバンド・デシネの大家メビウスの絵コンテ、あのエイリアンのギーガーのデザインなど、若手のすごい人たちを集めていったのです。配役も、オーソン・ウエルズ、ミック・ジャガー、サルバドール・ダリといった人に頼んだみたいです。ダリが、ギーガーを推薦したっていう、すごい話もあります。それまで、映画について、考えた事もなかったと、ギーガーは、このドキュメントの中で、語っています。
こんな、すごい企画、コントロール出来るはずがないって、素人は、思います。しかし、これは、描かれるべき重要なテーマだという事、ホドロスキーは、いかに才能があったかという事だと、思うのです。この企画は、ぽしゃったけれど、原作を具現化した、企画書は、その後のSF映画の元ネタになり、集めた才能は大活躍したのです。つまり、このテーマは、描かれなければならないけれど、どんな形で、あらわして、いいかわからなかった。その方向性を与えた企画だったのだと思います。
私は、未来を示したと、最後にホドロスキーは誇らしげに語ります。しかし、このあと、一本の映画も作れなった事は、重い。映画作家としての彼は、なれるべき姿を失ってしまったのです。それほど、新しいことをするのって、生み出すのって、恐ろしい事なんだなと、思いました。
この映画、見てよかったです。人は、問題を、受け継いでいく、生きものなのだという事が、改めて、感じられたからです。大阪の片隅の中学生が、興奮して、語り合った事、それは、生きるべき世界の困難さのことだったんだなあと、思います。そして、それは、問題を他者と影響し合って、受け継いで行くという、シンプルな経験だったと思います。なつかしかったです。
- 作者: アレハンドロ・ホドロフスキー,メビウス
- 出版社/メーカー: 小学館集英社プロダクション
- 発売日: 2010/12/21
- メディア: 単行本
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