oohama5656's blog

日々の思いを言葉に出来るといいなあと思っています

今を生きていく

 このご時世、映画館が安全なのはありがたい。それでも、田舎に住んでいると大きな町に行く手間、上演時間を合わせることを考えると、ご縁のある映画は少ない。一週間すぎると夜の興行だけだったりする。しかも、映画祭の関係なんかで、これっという映画は重なる。困る。

 

 Netflixなんかの配信もいい。特に連続物がいいと思う。昔の無声映画の連続物みたいな感じ。逆に言うと、いつでも見る時間が選べて、途中で辞められるは、新しいぜいたくな楽しみだなって思う。

 

 でも、映画は多数の人数がかかわるからだろうか。重いのだよな。カタログだけくって大抵やめてしまう。

 だから、映画館で見たい。この年になっても、心の冒険ができる。

 特別の場所である映画館で、一瞬でも多くの同じ感覚を共有する人達と出会うことで、背中を押してもらって、知らないことや見たくない事が見れる。それが楽しみだ。

 

 

 先日は、評判の「ヤクザと家族」という映画を見てきた。綾野剛は、このヤクザの役にはまってましたね。演技が達者なのでいろんな役を演じるけど、野良犬のように愛情を求めている感じが強く強調されて良かった。

 主要な役で彼と舘ひろしと若手の磯村勇斗が出てるのだけど、三人ともどこか理想の父性を求めていて、芸能の世界にそれを求めている感じの人だなって感じた。そのあたりがこの映画に、とてもあってるなって思う。

 

 尾野真千子綾野剛の恋人の演技もごちそうだなって思った。私は彼らを坂元裕二のドラマの「Mother」芦田愛菜ちゃんを虐待する親たちの役で知った。「カーネーション」の不倫の役もよくて、また、別の役で見れてうれしかった。

 

 舘ひろしも老いをさらしたいい演技だった。西部警察とかのファンもうれしいだろうと思う。他の俳優さんも役の背景まで想像できる映画なので生き生きしている。エンタメとしてもとてもよくできてる。

 

 ヤクザはいやな仕事でつらい境遇が背景にあっても許されないけど、そこでしか生きれなかった人をぎりぎり追い詰めて、何かいい解決があるのかい、そういう映画だったなあ。その中で必要なのはきちんと罰するが、抱きとめる包容力だろう。社会の父性というのだろうか。それを考えさせてくれた。

 みんなは、ほんと、そのことに鈍感なふりしてるけど、何かしらの変化を求めたいっていう感じの映画だった。ちょっと、泣ける。

 新しい映画を見て、今の新しい風にちょっとふれる。ささやかな自分と人の変化を楽しむ

 


綾野剛&舘ひろし『ヤクザと家族 The Family』本予告