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日々の思いを言葉に出来るといいなあと思っています

お正月、無事迎えました

 お正月、なかなか楽しかったです。まあ、お料理して、お掃除してたのが、ほとんどだったんですけれど。年をとって、食が細くなったので、食べさせるのが、楽しみになりました。だから、この時期、凝った料理が作れるので、楽しいので、そんなにいやではありません。今回、はじめて作ったのは、「禁断のレシピ」にのってたオムハヤシ。チキンライスに、ハヤシソースがのって、甘いオムレツ玉子が乗ったもの。レストランでも、なかなかないでしょ。息子たちが、喜んで食べてくれて、うれしかったです。昔、じいさんばあさんやらが、田舎に行くと、やたらめったら、ハイカロリーのご飯を出してくれて、困ったけれど、目で食べるっていうふうになるのですね。だからっていうわけではないですが、年末読んでいたのが、食べ物にまつわる話です。

 

銀二貫 (幻冬舎時代小説文庫)

銀二貫 (幻冬舎時代小説文庫)

 

  これは、去年、NHKドラマにもなった、寒天問屋のでっちさんが、店を繁盛させ、恋を成就させるお話です。和助という、年老いた店のご主人が、大阪にある、天満天神宮に寄進するための銀二貫で、買ったものはなにか。それをさぐっていく、物語でもあります。江戸時代の大阪の景色が見えるような細やかな描写が楽しいです。主人公たちの行き交う古い町の名前を追って、改めて天満界隈を散歩したいなと思わせられました。最後は婚礼で終わるので、お正月にふさわしいお話でした。

 その当時の大阪の災害を人の境遇の変化として、物語に取り入れているのも、大胆だなと思いました。舞台的でなく、連続ドラマ的なつくりといえると思います。今までの江戸時代を描いた時代小説は、歌舞伎の世話物の一幕もの的な構成のものが、多いと思ってます。劇作家あがりであった池波正太郎が、代表的だと思います。自分も故郷の災害の被害者だった山本周五郎も、災害を人物の行動の背景として使っているのは、やはり舞台的なものをひきずっているような気がします。

 この自然とのかかわりかたは、この物語が、災難にあって、家族の縁が切れた人々が、改めて他者と縁をつなぎ直す物語でもあるからでしょう。ちょっと、長い時間が細切れなのが気になりますが、縁をつなぎ直すということの困難さが現れてて、面白く感じました。

 まあ、お正月は、いつも通り本を読みつつも、近所の神社に夜、はじめて、初詣で行ったりして、楽しかったです。人と会うのが、人間の娯楽のひとつかなって、感じられた日々でした。

 

 

 

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