oohama5656's blog

日々の思いを言葉に出来るといいなあと思っています

2015-01-01から1年間の記事一覧

三遊亭円朝にひかれる何か

二年ほど前、中村勘九郎一座の歌舞伎「怪談乳房榎」に行った。彼らのびっくりするほどの身体能力をいかしたスピーディなお芝居に感心した。話も面白く、幽霊がお寺にに絵を描きに出てくる場面は、ぞーとする恐ろしさだった。そして、その複雑で奇怪な話が、…

星新一は怖い

今週のお題「ゾクッとする話」 星新一ばっかり読んでいた時期があった。ナンセンスで笑えたが、どこかひゃーとする感触があった。たくさん短編を読んだが、ほとんど忘れた。けれども、ふいに幾つかの短編が、ひょいと意識に上ってくる。たとえば、この前の原…

これぐらい気楽でいいんじゃない「ど根性ガエル」

ど根性ガエルが30代のひろしでドラマ化されると聞いたとき、ダメ男がかわいいでしょっていう、ぬいぐるみが中年になる、しょうもない「TED」の二番煎じかよって思っていたけれど、新井浩文がゴリライモで出るって聞いて、これは本気なんだなあと思った。新…

いいことの対価

よく、子育て中、言われたことは、子育ては苦しくて当たり前、あとで楽になるよっていう、言葉だ。それを言われたら、今、楽したいんだよって、言いそうになった。思うにそれを言うひとは子育てが苦しかった人なんだなあと、子育てが終わった今思う。なんて…

やり過ごすこと「きみはいい子」

子供たちをはぐくむ大人たちの困難までをえがいた中脇初枝の原作小説「きみはいい子」は、地味な小説のようだ。けれども、本屋大賞の候補にえらばれたりと、じわじわと読まれているようだ。それを呉美保監督が映画化した。 主人公の高良健吾演じる新任教師は…

日本民藝館に行ってきました

関西にいったとき、芹沢銈介の展覧会に行ってみて、カラフルでモダンなので、感動した。それで、いつか日本民藝館に行ってみたいと思い、たまたま、代々木上原から歩けることに気づきいってみた。民藝運動って、おばあちゃんのていねいで正しい生活を押して…

ひたすらに突っ走る「マッドマックス」

スケールが大きくて、面白いけど、見終わったあと、なんだか、日常の悩みをそらしただけだという、もやっとした消耗感がある大作映画が多い。だから、あんまし、この頃見に行かない。よくはできているけど、スナック菓子みたいな映画だ。それはそれで楽しい…

夏のころもがえ

今週のお題「夏支度」 萩尾望都の初期の漫画に「小夜の縫うゆかた」という短編がある。14歳の少女が初めてゆかたを縫い上げるのを幻想的に描いた作品だ。初夏の夏葉がのびるようなさわやかさ、少女がおとなになっていく喜びが歌い上げられ、いたく、心に残…

これからどこへ「ラブ&ピース」

七月一日は、映画の日&レディスデーということで、園子温の「ラブ&ピース」見てきました。長谷川博巳が出てた「地獄でなぜ悪い」がなんか好きだったのと、なぜか雇われ仕事をどんどんする園子温の危なっかしさにひかれて行ってきました。 園子温の代表作は…

Y字路の気分

今、情報があふれてるので、偶然の出会いといいうものが少なくなったような気がする。街を歩いていて、この映画良さそうって思って、上演時間が間に合うから入ってなんてことがあったけど、今はある程度しらべていく。ひとつに街の真ん中に住んでいないので…

ラウラ・アントネッリ 映像と残像と

「青い体験」のヒロインだったラウラ・アントネッリ、亡くなりましたね。世間では、セクシー女優さんの扱いですが、美しいプロポーションといい、本物の美女だったと思います。彼女の死で、同じようにおくすりにおぼれて亡くなった、70年代に活躍した、シ…

海街diary 死のにおいと生の輝き

原作の漫画「海街dairy」にひかれたのは、ちょうど、母親の三回忌のころだった。親が死ぬと親戚とかとのつなぎ目がゆるみ、つらいことが多かった。母親と同居していた弟は被害者意識がひどく、ずいぶんと母のことで当たられた。こちらも至らないところが多く…

もう少し、甘いものについて考えてみる

前のブログに出てきた、浅草の福太楼は京都のおいしいあんこを中心に紹介した、「あんこの本」で知りました。この本は最初に著者、姜尚美さんの「わたしはあんこがきらいだった」というまえがきではじまります。その彼女が、自分が食べれるあんこのおいしい…

甘さがしみる、映画「あん」見てきました。

かつて、地元の駅前で、ふたりの独身のおばさんが焼いていた、とっても、美味しい今川焼きのお店がありました。駅前再開発がきまっていて、シャッター半分で店をだしているし、話しかけても、悲しげな目で見つめてきます。でも、これが抜群においしい。京都…

家事は惨めだという幻想のわけって、この辺りなのかな

兼業農家で、自分のところの畑に行ったことがない友人のご主人がいた。古い地主さんだった両親で、肉体労働をさせるぐらいなら、私たちがやって、勉強をさせたいということだったらしい。田舎であるこちらに越してからも、そういうことを自慢する人がいた。…

ほんととうそ  天皇の料理番

「天皇の料理番」、続けて見てます。主人公の妻役である黒木華さん演じる俊子さんが再婚するあたりから、ほんとかなって、思って調べてみました。実は、秋山徳蔵は二度結婚していました。十代の最初ころ、養家に夫婦のかたちではいったけれど、実子が出来て…

回路がつながる マグリット展

マグリット展行ってきました。いつも東京は遠いとのいいわけで、保留していたんですけど、先日、3ヶ月前とっておいたチラシを見て、ひっかかりを思い出して行ってきました。で、実物と出会うよろこびにひたりました。まず、マグリットが最初から抽象画で出…

雨にうたれる 雨柳堂夢噺

今週のお題「雨の日が楽しくなる方法」 最近、ネットで、漫画を読むのにはまっていています。漫画はかさばるし、中古店でもきまったものしか置いてない。点数が多すぎるのとメガヒットが多いためだと思います。ネットだと、面白いものがみつけやすい。そうし…

なんだかんだと、読書の日々

雨で肌寒い日は、縁の下で寝てるのら猫になって、妙にぐったりして気分です。今、縁の下に潜れる家って少ないけど、あの薄暗い感じって悪くないです。外出もおっくうだし、なんだかんだで本読んでいます。昨日よんだのは、春日太一の「役者は一日にしてなら…

NHK アーカイブス ぼくもいくさに征くのだけれど 竹内浩三 戦時下の詩と生

たまに、午前中の忙しい時間だけど、BSのこの枠を見出すことがある。この番組は、日大芸術部のゼミ研究と再現ドラマを組み合わせて作ってあり、伊勢市出身の詩人、竹内浩三の戦死時と同じ21歳の柄本佑が主演しています。冬に生まれた蛾が死んでいくのをうた…

リメイクの面白さ「天皇の料理番」

最近のドラマでは、「天皇の料理番」を見てる。佐藤健いいなあ。「るろうに剣心」見たんだけど、まるで別人だ。うまいですね。のちに天皇陛下の料理番になる秋山徳蔵さんの人生をえがいたドラマなんだけど、波乱万丈でおもしろい。黒木華が奥さんの役で出て…

「ベルサイユのばら」って、いまさら考える

今、BSで、「ベルサイユのばら」が再放送されている。で、事前に池田理代子さんのインタビュー番組があって、桜井幸子アナウンサーと一緒に出てた。桜井さんが、ベルばらのコアなファンみたいで、その身内的な雰囲気のなかで、海外で評価が高まっていること…

日曜日は五月晴れだった

日曜日の夜は、こうの史代の「この世界の片隅に」を読んでいた。去年の5月ごろ、呉にいったので、街の通りや、海風が吹くけど、カラッとしてる気候とか、固太りの水兵さんたちのセーラー服が浮かんできて、現実味がでて、おもしろかった。読み終わって、背景…

台風のあと

台風のあと、本当に暑くなってたまらない。と、書いて、去年も一昨年もこんな日があったのだと思った。人間は忘れるから、常に新鮮にいられるのだ。そんなふらふらの午後、杉浦日向子原作で、クレヨンしんちゃんシリーズでお世話になった原恵一監督の新作「…

連休のあれこれ

今週のお題「ゴールデンウィーク2015」 今年の連休はいつも通り、お墓まいりから始まりました。京都駅から直行です。でないと、めんどくさいから決心がつかないのです。前回は三条のキルフェボンに帰り、寄りました。高いのでびっくり。白イチゴのタルト12…

近代恋愛小説の基本形 説きふせられて ジェーン オースティン

ひと昔前の女子大の英文科といえば、ジェーン・オースティンを教えているところが結構あったんじゃないかと思う。しかめっつらしいおじさんやおばさまに教えられるのもあって、堅苦しい古典文学と思っている人が多かったのではないだろうか。まあ、イギリス…

デビッド・リンチがツイン・ピークスの続編をつくるらしい

デビッド・リンチの「マルホランド・ドライブ」は、大人になってから見て、自分のなかの意識を変えてくれた映画だ。実は、私は彼の映画をこれと「デューン」と「インランド・エンパイア」しか見ていない。いつかそれ以外も見たいと思ってます。いいわけする…

ある日、できちゃう

今週のお題特別編「この春に始めたいこと・始めたこと」〈春のブログキャンペーン 第2週〉 前のブログで書いたとおり、最近、洋裁を初めています。テレビをみてて、 やり始めたんですけど、思い出してみたら、アクセサリー作りの材料をさがしに、吉祥寺のコ…

小津安二郎 晩春 変化へのおそれ

この前、本棚を整理していたら、小津安二郎の「晩春」が出て来て、ああ、この映画は私には、胸にささるんだなあと改めて思った。「晩春」は、1949年に鎌倉を舞台にした、原節子をはじめて主演すえた映画だ。彼の映画は、結婚する女の話を何度も繰り返し…

ジヌよさらば みんな映画館で笑わなくなった。

松尾スズキ監督、松田龍平主演の「ジヌをさらば」見てきました。映画館は「あまちゃん」人気もあるのでしょうか。老若男女でいっぱいでした。普段行かない、土曜日の午後だったこともあり、がっつり仕事してる感じの人が多かったです。こんなに幅広い層が映…