oohama5656's blog

日々の思いを言葉に出来るといいなあと思っています

よしながふみ「大奥」とトランプ

 ドナルド・トランプのニュースを見ていて、支持者の女性が、彼の女性スキャンダルを評して、「あれは仲間内でエロいはなしをしている男の子なんだから。」って言ってたのを聞いて、女の敵は女じゃなと笑ってしまった。男は、複数の女性とつきあうべきだっていうのは、社会が作った幻想だとは薄々感じていたが、そこをすとんとお腹に落としてくれたのが、よしながふみの「大奥」だった。大奥は幼い時から女性をあてがわれ、複数の女性と付き合うのをよしとする。乳幼児死亡率が高い時代に、幕府といういろんな人を支える頂点を守るために作られた制度である。

 それを女性と置き換えると、華麗な大奥をつくった綱吉も単なる病気とされるニンフォマニアになる。産む性である女性の心身を痛める行為だからだ。そして、相手の男性が女性と同じように子供をつくる道具にされ、心を無視されたと傷つく。それに対して、読者の私は気の毒だと思ったけれど、つよいひっかかりがあった。そこで、女性は、それが当たり前だと思い込まされていたことにやっと気がついた。だいたい、こんなことを男は許すだろうか、許さない。そこをついてるのがこの漫画のおもしろいところだ。そして、入れ替えることで男性が多数の女性と付き合うことも病的であり、強いられたことだと気付き愕然とした。だいたい、母親がわりの女性が、平和を守るためにそれを進めるのだよね。しかし、女性が男らしさを取り込むことが善であるなら、そういった負の部分を取り込んでしまう。こういった現代女性いますね。そういったひとがトランプのそばにたくさんいる。

 たくさんの子供を残すのはよいこと、よいことは周りも褒めるし、自分もみたされる。それゆえに陥ることなんだろう。だから、男たちは、複数の女性にちょっかいをだすドナルド・トランプは男のあこがれだと本人に思い込ませる。そうして、男の子はエッチなもんなんだ。それを許し、はぐらかすのがかっこいい女なんだ。そういったことに麻痺した女性に囲まれて、男性は、自分のきっとしんどいことでもある行為を肯定することを取り込む。だから、たまに拒否されると暴言を吐いてきたんだな。

 むかし、血縁関係で自分たちを守ってきたころ、自分の子孫をのこすことが生き延びるすべだったと思い込もうとしていた。それで起こった争いにうんざりして、文明は進んだのではないか、でも、貧しくみじめになると、ここ百年ほどのことなんか、簡単にすっ飛ばされるのだなあ。相変わらずの昔ながらの男らしさが復活する。

 うん、こんなとんちんかんなことを書くのは、すごく暴力的なおとこに困って、つらいっていったとき、仲間でいた人から同じようなことを聞いたんだよな。「あの人は口が悪いけど、いいひとなのよ。私たちを助けてくれるんだから」でも、やっぱり、弱虫でも、口の悪い人と一緒にいたくないんだよな。そして、今回は、そんなことを我慢している人がありふれていること、そして、それを当たり前と思わないことを思い出させてくれるんだ。

大奥 5 (ジェッツコミックス)