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oohaman5656's blog

日々の思いを言葉に出来るといいなあと、書いています。

どこで何を食べてるか 食べることを考える本3

 普段付き合いのない人と、ちょっと突っ込んだ話をしたいとき、食べることをネタにすると話しやすい。食べ物の好き嫌いから、好きな店はどこにあるか、いろんな切り口がある。そして、その人と自分の違いがわかることがその人を理解するきっかけになる。社会も同じでその土地の状況が知りたければ、現場にいってその土地のひとと一緒にごはんを食べてみることだろう。この本はそういったやり方の延長で、世界のいろんな立場の人の情景を切り取った本だ。色々と強烈な食体験もでてくるけど、それこそが旅することの意味かもしれないと感じさせる本だ。

もの食う人びと (角川文庫)

もの食う人びと (角川文庫)

 

 辺見庸の戦い方を参考にしたと思ったのは、この本だ。虐げられている人は、普段人が食べないものを工夫して食べる。たとえば、アメリカ南部のフライドチキンがそうだ。今は、アメリカを代表するソウルフードだけど、最初は黒人奴隷が、白人が食べ残した食材をいかに美味しく食べるかだったらしい。それは鳥の手羽など骨が多い部位をディープフライという低温で長時間じっくりあげて、骨まで柔らかくして食べることだった。そして、腐敗寸前のたべものも美味しく食べれる普遍的な調理法でもあった。日本の被差別部落でも内臓料理に同じ調理法が使われてるらしい。そういったものを食べなければならない差別の共通する実態、そして、それとの戦い、昔からの人がいかにたべものを見つけ、調理の工夫で克服したきたかの普遍的な歴史の蓄積まで描かれることで、私たちがどのようにものをたべてきたかの歴史を知りたいという好奇心みたし、そして問題提起をし、人間はこんなにもたくましいのだと励ましてくれる本だった。食べることを楽しむとき、ちょこっと、こういった歴史も感じてみることもあっていいなと思う。

被差別の食卓 (新潮新書)

被差別の食卓 (新潮新書)

 

 

被差別のグルメ (新潮新書)

被差別のグルメ (新潮新書)

 

  その10年後に発表された続編。共通する視線でいかに伝えるかの日々のあとに。