oohama5656's blog

日々の思いを言葉に出来るといいなあと、書いています。

「ゴジラとナウシカ」

『「ゴジラナウシカ」 海の彼方より訪れしものたち』赤坂憲雄 イーストプレス

 

 

 

 主に、東北を中心にフィールド・ワークしている、民俗学者の方の本です。この本は、新しいゴジラの上映を期に、出版されたものです。彼が、ゴジラナウシカについて、書かれた考察をまとめたものです。

 どちらの映画も、海から、何かがやってくるという、日本古来の 考え方を元に作られている事、文明の毒について語っている事、原子力という神の火について語っていることを描いています。

 ゴジラは、南海洋で起こった、水爆実験で目覚めた恐竜だとされています。同時期に、アメリカのSF作家、レイ・ブラッドベリが、水爆でめざめた恐竜が、アメリカの岬を襲う小説「霧笛」を発表し、映画にもなっているようです。私も読んだことがあるのですが、なんだか、ぼんやりとして小説です。霧の中で、なんだか、訳の分からない恐竜のような物が、襲ってくる話です。これが、元ネタだったとは、この本を読むまで、はっきりとわからなかったです。

 このように、文明の毒を、ぼんやりと、アメリカの小説家は描いていますが、日本では、ゴジラという、東京を踏み荒らす凶暴な怪獣となっています。それは、日本の怨霊は、異界からやってくるという伝統的な考えがあるためのようです。このゴジラの話の原型は、お神楽や能であると 、対談で語っている、俳優の佐野史郎は、指摘しています。どうやら、私たち、子供たちは、怪獣物で、日本の芸能の、荒ぶる魂をおさめるというのを、繰り返し見せられてたんだな。

 そして、宮崎駿の「ナウシカ」も腐海という汚染された海に飲み込まれることと戦うという話を描いています。私は、彼が、こういった話を描いたのは、戦争中、軍需工場の金持ちの息子であったことが大きいと思っています。ナウシカたちは、腐海のある世界の一部であるという考え方は、そこから来ているのだ思います。

 私は、ゴジラは、戦争に参加した人々の、ナウシカは、その人たちに育てられた人々の思いを、子供たちに示した映画だったんだと思っています。

 色々と刺激的なヒントがある本でした。