oohama5656's blog

日々の思いを言葉に出来るといいなあと思っています

小津安二郎の「出来ごごろ」を見る

 小津安二郎無声映画を見に神田の神保町シアターに行ってきました。無声映画を大画面で見るのは初めてで、ちょっと、勇気がいったのですが、楽しかったです。画像が大きいと、見えてなかったところもわかって、いいなあと思いました。

 

 『出来ごごろ』は、初めてみるのですが、子役の突貫小僧の自由闊達な姿もかわいかったのですが、子供のまんまに大人になった、父親を演じる、坂本武に感心しました。

 

 天下の小津安二郎の映画の感想にしては、ふざけてるなあと思うのですが。おばはんなので、お許しください。ご近所で、工事をしている大工さんに感じるような、リアルなときめきを感じたのです。

 

 こういった感覚は、今はむしろ、お笑いさんに多いような気がします。男の色気は美しい容姿でなく、楽しい話や信頼感や体力だったりします。

 

 私は、大好きな井川比佐志や塩見三省とかの俳優が近いかなと感じました。あの、足が短くて、胴が太い感じが、日本の着物の似合う体型で好もしい。

 それでも、こんなおおらかさはないなと思いました。不便な暮らしで作った、筋肉が感じられる。そして、知識でなく、経験で作った知性でもって、子供のまんまの男を演じる坂本武、かっこよかったです。

 

 お話は、長屋を舞台にした、父子ものですが、無学な父が年甲斐もなく若い娘に純な恋をしたりのギャグが満載な話で、当時の貧乏の切なさも出て、ほろりとさせられたりして、映画として、とても、完成しています。

 喜劇として、まだ、混沌としているのが、若々しくて、魅力でした。自由でおおらかで、楽しかったです。

 15日まで、神保町シアター

http://shougakukan.co.jp/jinbocho-theater/program/ozu2.html

で放映しているので、お暇だったら、ご覧になってください。