私は先日、都築響一の「夜露死苦現代詩」なる、本を読んだ。村上春樹との共著、「地球のはぐれ方」以来、彼のことが気になるのである。お気に入りは、酒も飲めないのに、スナックについてのエッセイだったりする。何年か前、神田の古本屋街を散歩した時、この本を知った。購入しなかったのは、私がケチなのもあるが、相田みつをについての記述があったからだ。
と、いうのは、かつて、愚痴にはまっていた私に、辛抱強く、つき合ってくれた友人から、相田みつをのカレンダーが、送りつけられてきたことがあったからだ。当たり前のことなんか、聞きたくないって、押し入れにほり投げてしまった。そんな、態度の悪い私は、しばらくして、その友人と、疎遠になった。そのことを、思い出して、もやもやとした気持ちになったからだ。
先日、京都に行ったとき、この本は、また、私の前に表れた。もう、いいや、読んでみよう。詩って、なんだろう。最近、考え込んでいた、私は読んだ。暴走族の特攻服の詩、演歌の歌詞、ラップ、死刑囚の和歌、詩なんだな。いたい、しかし、詩なのだ。そして、相田みつをの美術館が東京駅前にあるのを知った。
で、私は、東京駅前のブリジストン美術館に行く理由ができたのだ。私は普段、神奈川の西のはじっこでぼんやり暮らしており、めったに東京に行くこともないのである。だいたい、人ごみは嫌いな人なのだ。
そして、歩くのがくせの私は、東京フォーラムに迷い込み、そこに美術館があるのを、思い出したのだ。行くしか無い。そう思った。そして、本にあったとおり、上品で美しい、相田みつをの詩と書を見たのだった。
興味深かったですね。例のお手洗いにあるカレンダーが、相田みつをの死後、息子さんが、彼の詩を広めるために、専用に編纂した物であることを知った。また、展示をコラボしたのが、ダライラマの東京事務所とアメリカのシュルツ美術館であったことも知った。この前、私、スヌーピー展行ってきたのですよ。はい、ファンなもので。なんだろ、とても、面白く感じだ。
でも、やっぱり、気恥ずかしくて、カレンダーは買ってない。
こうして、偶然の導きで、私の相田みつを問題は一応の解決を見た。新たな、なんかしらの始まりって、気もするが。
撮影が許されたものです。これはうれしい。