oohama5656's blog

日々の思いを言葉に出来るといいなあと、書いています。

つらぬく男「プリニウス」第9巻

 私の中ではポンペイで逃げ遅れた奇特な学者ぐらいの印象の人、プリニウスの博物を巡る旅も第9巻。こんなにも色々なことを研究し、旅した人なのかを初めて知った。そして、時の独裁者ネロと対等に渡り合う様子が描かれて、本物の知性とはいかなるものかを考えさせられた。

 サイドストーリーのネロが愛を見しうなっていく様子がえぐい。そして、プリニウス周辺の人々のオリジナルのストーリーがプリニウスの活躍とネロの破滅を橋渡ししてくのもダイナミックだ。ネロが破滅していく過程が怖くてしばらくはなれたんだけど、隣国の某キムさんみたいでリアルであるな。身近にもこういう人がちらほら見受けられるし、私たちの物語である。それに対して戦うべき知性とはって考えてしまう。今回でその道行に希望がみえたのでほっとしたりした。

 とり・みきさんの詳細な背景とヤマザキマリさんの人物のリアルな表情の情報がみっちりとはいった画面が濃くていろんな情報が読み取れる。いや、読み応えあります。今後もゆるゆると物語の進みに浸っていたい。

 

 

プリニウス9 (バンチコミックス45プレミアム)

プリニウス9 (バンチコミックス45プレミアム)

 

 

ゴッホ展に行ってきました。

 上野の森美術館の「ゴッホ展」に行ってきました。終わってしまったのですが、この後、兵庫県立美術館で公開されるようなので感想を書いてみます。ゴッホ、やっぱり、すげえってのが感想ですが、それでは終わってしまう。続けます。

 今回、オランダ、ハーグを中心にしたハーグ派の絵とパリ時代の印象派、ポスト印象派の絵とともにゴッホの成長をみていく形でゴッホの絵を紹介しています。弟テオ、友人たちとの書簡とともなので分かりやすいです。どんどんとゴッホがなぜにあんなに頑張ったかという疑問がふくらみました。絵画とは何かとの疑問ですね。

 特に同時代の画家モンティセリの花の絵とそれをまねた絵は見ごたえありました。そうか、あの絵具を盛り、鮮やかな色の絵の直接のモデルだったのですね。これだけの画家、日本に入っていないはずないなって調べてみたら、やはり、私は見てますね。かつて行った上野の西洋美術館と倉敷の大原美術館にありました。オスカー・ワイルドが集めていたそうで、まとめてみてみたいな。最近、生誕地マルセイユで回顧展があったようです。今までぼんやりとみていた絵の絵画史的な立ち位置がわかり、名前を知る、展覧会の醍醐味だと思いました。まねた絵はモンティセリの花の絵を浮世絵の縦長の形で構成しなおして、元の絵を飛び越している。ゴッホ覚醒期の名品だと思います。

 ハーグ派の絵もマウフェの「4頭の曳き馬」、フェルメールを消化し温かみのあるイスラエルスの「猟師の女」好きかな。ゴッホとの書簡が紹介され、彼らが真剣に絵に精進しているありさまとゴッホの困ったちゃんぶりがわかります。 後半はゴッホのアルル時代以降の絵、サイズも大きくて圧巻です。タンギーじいさんの絵、人柄も感じられたよかったです。薔薇の絵も好きです。白が美しかった。

 構成としては同じ上野の森美術館で行われたフェルメール展を世襲していると思いました。あの展示良かったですね。私はいままでピンと来なかったのですが、初めてフェルメールの絵画的位置、魅力の一端がわかりました。今回はもう少しアルル以降の絵がほしかったかな。あびるようにゴッホが見たいという欲求が起こりました。

ゴッホ展のホームページを張っておきます。

https://go-go-gogh.jp/

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こちらはシカゴ美術館の糸杉です。こちらはフリーで使えるもんで

 

「欄外の人物」ってなんぞや 文学界1月号 又吉直樹X宇多田ヒカルを読んで

 

文學界 1月号

文學界 1月号

  • 作者: 
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2019/12/07
  • メディア: 雑誌
 

宇多田ヒカルさんと又吉直樹さんの対談でうっかり、ひと様にリプライしてしまった私の対談での感想。読んでみると二人はとても真っ当な文学への思いを語り合っています。小説を読む心の体力がないんで、この手の雑誌はめったに読まないのですが、新年号はなかなかにリッチな感じです。本の紹介もあって、好きな作家さんは同じものを結構読んでる。チョットうれしくなりました。

 さて、二人の対談を読んで印象に残ってのは、自分たちに対する先入観をどう扱うか。これは芸人としてデビューした又吉さん、有名人を母に持った宇多田さんに切実な問題ですね。それを利用しつつしたたかに二人は生き抜いている。そして、話は宇多田さんが赤ちゃんを産んで、赤ちゃんの目線が死者の目線に重なることに気が付いたってことに話が流れていきます。

 先入観のない無垢な目線というのかな。これは子供を持った母親だと言語化できないけど大概の人はかんじるのではないかな。そして、又吉さんが作家としてめざしているのは死者の目線だということ。世の中から押しつけられた色々なこだわりやきめつけから逃れることで空気を緩めたい、それは本質というのかな、それだけをみつめる死者の眼なんだということで。それは、かつてあった、赤ん坊がその死を含めて身近にいて、成人した人でもひょっといなくなる世の中では、身に染みることではあったのだろうけど。

 そして、なぜ、音楽を作るか、芸人になるか、作家になるかって話にいたります。弱い人々そうしなくてはいけない人、欄外の人物。又吉さんは山崎方代という人の短歌を引用して、そういった人々について語ります。そういう世間のモラルにもあわせられない弱い人々を持ち上げて、普通を裏切るとたたき出す。そういった世の中に対する疑問を感じながらお二人が歩んでいる姿はなかなかに考えさせられる。

 どうしても、そういった欄外の人に対して、ロマンチックな目線を人は持ちがちだなって思う。雨宮まみさんの本の藤圭子さんにしぼった私のブログなんかもそうかな。しかし、そういった人にある時すごく救われるときがあるのです。たぶん、一時、自分がその欄外に扱われたり、それによって本質的なものがすとんと落ちる瞬間を感じたり。そのもやっとしたことを文章というあわいで書いてみたかったのかな。藤圭子さんも雨宮まみさんも意味が損なわれた伝統的な社会からエスケープした人なんだと思う。だから、かっこよかったと感じる。それに対して、藤圭子に嫌われた川端康成とか私が引用した折口信夫とかは伝統社会のドロドロにつかって作家をしていたと思う。今はいるのかな。

 にしても、どっちもすごい覚悟があると思う。川端なんか「伊豆の踊子」のあと、浅草に移りすんで「浅草紅団」で流行作家になってる。あの頃のデカダンスの最前線に向かったのです。どちらも大阪の出身であるってことは、そういった因習の力が根強い土地柄ってことだと思ってます。川端の生まれた大阪天満宮前は、かの吉本興業発祥の地で彼が浅草に移りすむのは必然と思われます。二人とも薬物中毒だったりもするし。どちらも欄外の人であったのは確かだと思うけど、普通を蹴飛ばした人ではあるな。

そして、又吉直樹宇多田ヒカル。芸人と歌手の対談。そういった背景を背負って、踏み抜いて、今をいかに生きるかってことへの雑談であるかもって思った。

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 大阪文学散歩的な紀行文です。川端、折口の背景。

 

 

子どもは強い。そしてやはり希望なのだ。「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」

  友達が連載されてたエッセイ読んでて感心してたし、田舎のご近所の本屋さんでも並んでいるのでヒットしてるなって気になっていた本。一気に読めた。これは最近の私にも意外と珍しくて、今まさに起こっていることの内容だということと、文章が優れているということなんだと思う。子供の貧困化の問題、そして、いわゆるハーフであることも日本でも普通になりつつある。私の長男の友人にも何人かいるし、趣味仲間のお孫さんにもおられる。だけど、今、本や自体がすたれているので、実質どの程度世の中に広がっているんだろうなって感じもするけど。近くにきっといる子供のこと考える、読んでもらいたい本だと思う。

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー

 

  イギリスの労働階級の男性と結婚し保育士として働いた人で、著者の息子さんが元底辺校だったが、がんばっている中学に入学して体験した日々を描いたものだ。イギリス特有なこともあるけど、比べてみると、日本の学校間の格差も実際体験してみると、きついよ。それはプロのアスリートにもなるにも勉強で成功するにも高度化していて、お金と親の社会的な地位とか都市住まいとかがないとたちいかないという、いわゆる先進国の病があると思う。彼ぐらいの中学生がぼんやりと夢みることもしんどい。だからか、子供たちの競争も激しい。

 そのなかでイギリスの底辺校では、心ある頑張っている先生たちが奮闘している。この辺りは日本の方がきついかな。先生がご飯を上げたりって、私の行ってたころの大昔の下町の学校ではちょっとあったかも。いらない事だと作者もいってるけど、社会サービスが削られている中で見ていられないのだろう。日本も削られているけど、先生の給料が安すぎるし、それにともなって社会的な地位が低くなっているから、そんな余裕がない。

 あと、イギリスでは演劇の授業もあって、自己主張をいかにするかを教えたり学んだりするし、社会の実際を学ぶ授業がしっかりしているみたいだ。そういったことで先生たちも社会に対する意識が高い。日本はそういったことをいかにやりすごすかになってしまっていることが多いような気がする。

 あのグレタ・トゥンベリさんが人気で、子供たちが先生に引率されてデモに参加する話も出てくる。緑の党に縁が深く、左派が多いブライトンの町であることを差し引いても人気なんだと思う。作者の夫がそういった先生たちに批判的だったりもするし、成績のいい裕福な子が多い学校の子だけが許されて、息子さんがラップでその疎外感の悔しさを仲間のバンドで歌ったりと、この運動が競争が激しい社会への何かしらの連動があることも感じられるし、一筋縄ではいかない問題をふくんでいるのも面白いな。

 差別意識が高い移民の美少年ダニエルくんの話も印象深い。最初ちやほやされていたけど、先生が問題視ししだしてから苛めに会う。でも、実際に彼にいじめられた子たちがかばっていて、部外者の子たちがSNSとかでいじめだしたのはわかるなあ。息子は「みんな罰を与えるのが好きなんだ」そうなんだよね。この言葉を聞くと、子供ってなんて賢いんだ、強いんだとほっとする。

 作者も息子にかつて自分の差別の体験を教えるけど、私も思い出した。かつて、小学校一年の時、毎日下駄箱で私の足を踏む在日の子がいたけど、それだからって、その子を深く恨んだりしなかった。なんというのかな、体でその子の悲しみや戸惑いが感じられたからだと思う。小競り合いすることで仲間意識が育ったんだと思う。その小競り合いのこそが成長なんだと懐かしく思い出した。

 そういうふうにこの本では遠いイギリスの話というだけでなく、今まさにおこっていること、社会とこどもという普遍的な出来事の日々が綴られていていた。

 

その人の最善の道って考える「私はカレン、日本に恋したフランス人」

  じゃんぽーる西さんのエッセイ漫画は何となく読んでいた。フランス体験記、そして国際結婚、いっぱい書かれているけど、面白いネタだからかな。でも、読み続けられたのは奥さんになったカレンさんが面白いのからかな。それで彼女のエッセイを読んでみた。いや、ちゃんとしたジャーナリストだな。日本とフランスのいい部分と悪い部分も適格にえがかれていて、ふむふむってなったんですね。ブログにも感想を書きました。

 

oohaman5656.hatenablog.com

  そして、カレンさんについてもって知りたいと思った。そして、出たのがこの漫画だ。

 

私はカレン、日本に恋したフランス人 (フィールコミックス)

私はカレン、日本に恋したフランス人 (フィールコミックス)

 

 

 じゃんぽーる西さんが実力で読者を引っ張ってきたことが実感される面白さだった。もちろん、直観力がするどいカレンさんという人の面白さもあるけど、一人の個性的な理系女性の道行を通してえがかれた、日本とフランスでの90年代のからの社会の世相と変化もわかる総合的な漫画だと思う。

 最初、彼女は育児教育番組の音響関係の仕事のバカンスで日本に来て、秋葉の電気街にはまったらしい。そして、日本にいたいがため工学系の技術の記事をかくジャーナリストになったそうだ。

 ワイドショーでにこやかに笑っているおじさんとしか思っていなかった夏野剛ってえらかったんですね。この本によると、彼のiモードの開発から今のスマホのインターネット化は始まったらしい。すみません。パソコンに強い人が多いはてなの人なんかには当たり前の話なんだろうな。彼女の一番印象に残る工学的なしごとは彼へのインタビューらしい。

 そして、その隣にあるとかんじた日本漫画の歴史の本を書き、夫と出会った。秋葉が漫画やアニメの町になった。そのあたりの感じはわかるんだけど、フランスのマンガ家メビウスのインタビューが冒頭にのったカレンさんの本読むとよくわかるのかな。いつか読んでみたいです。

 そして、今は社会問題も扱う人となったらしい。フクシマでしたっけ、日本は汚染されていると強調された記事が広まることとも戦ってくれたみたいです。

 日本のほんとにいいとこってなんかな。どういうとこを生かすべきかなっていうヒントにもなるマンガで、壮大なのろけまんがでもあるな。

 

 

「いだてん」最高じゃんね、テンション高めに言いたい。

 

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面白かった!


 私は一年間、大河ドラマ「いだてん」を見ていたんだけど、最後、北野武演じる古今亭志ん生で話が終わってホント良かったなって思った。というか、パソコンで息子さんの古今亭志ん朝としか、文字変換できないんですけど。このように、かくも私たちはちょっと昔について知らない。オリンピック反対派のリーダーのひとり、久米宏のラジオによると、このドラマが視聴率が最低なのはオリンピック反対派は最初から見たくないし、賛成派はいちいち気に障ることを描くので気に入らないからだそうだ。でも、なによりも近現代は学校でも家庭でも語られない話題になっているので、ついていけないってことが多すぎるのだ。私も知らないことだらけなんで新鮮でした。

 私は一時、オリンピックを招致した田畑を演じる阿部サダヲの映画ばっかみてたし、歌舞伎でえらく中村勘九郎に感心してたのでわくわく見ていた。宮藤勘九郎の脚本は、落語を語った「タイガー&ドラゴン」が一番好きだ。あれで江戸落語に興味がわいた。私は関西人だったのでちんぷんかんぷんなのだ。そして、横浜のヒーロー、横山剣を発見したのだ。

 北野武によると楽屋で一流の俳優さんたちとわいわいできて、最近では最も楽しいしごとになったらしい。そういう、芸能史に大きな足跡を残した人へのリスペクト、よいですね。私も演技力がある俳優さんが適役で出てて楽しかった。ドラマはオリンピックをジャーナリステックに描いていて痛い痛いところもあったし、見やすいだけではなかった。初めての女子金メダリスト、人見絹代のエピソード泣けたな。二階堂先生のことは初めて知ってこんな方がいたのかって。シベリア忘れられないお菓子になったな。

 何よりも大根仁の演出した満州編がよかった。仲野太賀も三遊亭円生を演じた中村七之助もよかったけど、森山未來ですね。古今亭志ん生を演じて、ぎりぎりのところまで力を引き出させた。さすが、ドラマ「モテキ」で組んだふたりですね。最終回を演出した井上剛も神戸の震災を描いた「その街のこども」で組んでいて、ふたりの一流の作り手にいじってもらって、運がいいと思った。身体能力の高さと才能の多彩さで、ここんとこ独りよがりの演技がいやだったんだけど、研ぎ澄まされましたね。何しろ、語りも古今亭志ん生、息子の金原亭馬生古今亭志ん朝も演じ分けるんですから。たけちゃんが満足するように、影の主役だと思う。

 落語家、五りんを演じた神木隆之介宮藤官九郎の「11人もいる。」で主演を張っていたので自在に描かれている。彼の品のいいコメディ演技は必見だったし。武ちゃんを背負っての東京の坂の演技うれしかった。そういった若手の実力派も目立つし、盛沢山で、まあ、話はややこしかったかなって思うけどね。うん、視聴率はきびしいかも。

 あ、最後に金栗さんの実在の親友、美川さんについてだけど。最終回でなかったね。戦争中ぐらいに亡くなっていたらしい。あの人は、明治の脱落インテリの典型みたいな人だと思う。原民喜みたいな人だなって思った。彼も娼婦を受けだして結婚しようとしたんよ。暗い方ですけど。天狗クラブもですけど、いつかこういう人たちもスピンオフ的なもので描いてほしいなっておもう。と、長々と語ってしまった。ドラマはやっぱり長編が面白い。

 

大河ドラマ「いだてん」オリジナル・サウンドトラック 前編
 

 

 

 

 

科学や医学が輝いていたころ BBCドラマ「Call the midwife」

 midwifeって助産婦さんなんですね。深夜の妻ってベタだな。イギリスで第二次大戦後のベビーブーマーの子供たちがたくさん生まれたことで、今、ジョンソン首相がやめようとしている国民健康保険が拡大されたころ。医療の進歩が貧しい人々にも行き渡る過程のダイナミックな話です。手術での出産、帝王切開の技術が安く使えるようになったっていうことで、死亡する赤ちゃんやおかあさんが劇的に減ったんですね。今でも日本でも帝王切開は保険がきくっていうのはこの制度をまねたからかな。

 それを背景に貧民街で修道院の尼僧が経営する出産病院での二十代前半の助産婦さんたちの活躍を描いたドラマです。そのころの町の不衛生な様子、無知で子だくさんな様子。そして、スタッフや患者さんを蝕む戦争の影。かの「ダウントンアビー」に負けないぐらい人気のドラマらしいです。主演の美人女優ジェシカ・レインが目立つぐらいでスターは出ず、舞台できたえた手堅い俳優さんたちが出ているのですが、脚本と時代考証がしっかりしていて面白いです。原作は実録だそうですが、医療考証もかなりしっかりしてるんだと思います。

 逆子や早すぎる破水をどう技術的にきりぬけるかの出産の様子がリアルに再現されているので、個人差が大きい技術を習得することの困難さで帝王切開のありがたさがわかりますし、レントゲン車の派遣が普通になったことで結核の早期発見が可能になって命が助かるエピソードもありがたいです。私の小さい頃もレントゲン車をお年寄りがとてもありがたがっていたことを思い出しました。また、イギリスでは自宅出産がふつうで、貧乏な人たちは見栄もあったので自宅を選びがちだったんですが、衛生状態が悪いがゆえに病院が必要だったこともわかりました。日本では病院出産がお金持ちののステイタスであったので興味深いです。戦後、助産婦の資格が看護の資格にしっかりと組み込まれたのは日本とそう変わらないかな。そういった新しい生き方をえらんだ若い女性たち、たくさんいたんですね。

 脚本でロンドン、ポプラー地区の貧困の実態、イギリスの経済的な没落を容赦なく描いていています。クリスマスエピソードで女優さんが貧乏のトラウマを背負った老女を裸もさらして演じているのですが、

 

 

このあたりの俳優魂、このあたりが日本のドラマには真似できないとこだな。予算の関係もあるでしょうが、映画監督のサム・メンデスがかかわっているし、映画を見ているようでした。アマゾンプライムでの公開はジェシカ・レインの降板までですが、サリドマイドの薬害といった60年代に現れた化学の害や人種の多様化なんかを描いて今も放映中みたいです。宗教と奉仕について、戦争のトラウマについてといった多様なテーマも扱っていて、なによりも世の中がよくなっていっているという祈りがかんじられる、なかなか面白いドラマだと思います。これって、ベビーブーマーのお年寄りがご両親について知るドラマで、もうこの時代も日本でもしっかり時代劇として扱ってほしいと感じたな。ぜひ、続きもみたいです。