おかざき真里の「阿吽」四巻を読んだ。平安京のころの最澄と空海を描いた漫画だ。ふたりの名僧を描いているのだけど、いたくてグロくて、かなりエロい。クセが強い作風だが、一巻から読んでしまいました。今までも、とんでもない最澄のおっかさんとか悪女が出てきたが、四巻は薬子の乱のはじまりなので、もっと、とんでもない薬子がでてきます。しかし、漫画で映像化されると、そのひとのひととなりがくっきりわかって面白い。知らない登場人物がバンバン出てくるが、ほぼ史実どおりのひどさらしいです。
これ、女性誌連載のようだけど、どちらかというと少年漫画テイストだと思う。ベルセリクとか、80年代の石ノ森漫画のようだ。仏教についてかなり突っ込んで勉強しているようで、知識のない私はちんぷんかんぷんだ。その哲学なところを、まんがでなんとなく納得させられる画力だ。代表作の恋愛まんが「サプリ」を何巻か読んだけど、心理描写がすごい、そういった意味では少女まんがの系譜なんだろうと思う。まあ、あまりにもとがってて読んでてつらいものでしたが。そういったアプローチから、宗教を描いていると思う。
なぜ、あの時代にふたりが現れたか、病気が飢餓や争いがみじかで、死と汚辱にまみれたその当時の世相をこれでもかとこれでもかとテンション高く描いている。桓武朝の歴史って面白いですね。宗教と権力がないまぜになっていて、よくもあんな辛い人生を人々が、選びとって生きていったと思う。昔ってやっぱりろくでもない。まんがはいよいよふたりが遣唐使に行くとこまでに進んでいる、どうなるのかなあ。
阿・吽 4 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)
- 作者: おかざき真里,阿吽社
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2016/06/10
- メディア: コミック
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