oohama5656's blog

日々の思いを言葉に出来るといいなあと思っています

最近、漫画ばっかり読んでます2

  読み続けた「王妃マルゴ」もいよいよ、聖バルテルミの虐殺前夜まで押し迫ってきました。彼女と結婚する、表紙のブルボン王朝始祖のアンリ四世のイラストが美しい。萩尾先生の画力にうっとりです。話のなかで、とても包容力のある青年に描かれています。マルゴは初恋のひとで魅力的なギース公に執着しますが、野心家で自己中心的な人物です。その二人の幼い恋愛をみすえる彼の妻カトラの大人でキリッとしたところが好きです。この巻は 書きたいことが多すぎて、盛りだくさんなのが気になりましたが、これから史実だと、登場人物たちが虐殺の恐怖から壊れていくので、見たいやら見たくないやらです。

王妃マルゴ 4 (愛蔵版コミックス)

王妃マルゴ 4 (愛蔵版コミックス)

 

  前作の「繕い縫うひと」から、今の若いひとが本能的に欲している時代の空気をすくい取るのがうまい作者だなと思います。東京で独身の女性が家を持つことで得られる自由と孤独とは。マンションをもった女性と賃貸の女性のアンケート調査が面白い。家飲みが増えたり、思い出の品を取っておくことができるんだ。

 この二巻めは、本筋と違ういろんな一人暮らしの女性たちの短編が挟み込まれていて、複眼的なのがいいです。台所と寝場所だけの部屋に住むフードコディネターの美味しそうでないグルメの会とか、成功した漫画家がマンションの家族のざわめきを愉しむながらも、孤独に毅然と立ち向かう姿とか、作者のゆれそのままに描かれています。本筋は契約社員で家族の縁が薄い沼越さんが、やはり、都会で働く独身の人たちである不動産屋さんとお友だちになりつつ家をさがす話です。そういう人でも頑張ったら家が買えなくもないかもしれない未来に希望を託した漫画ともいえます。今回、わりにはっきりと不動産屋さんの男性に求婚されるのですが、さらっとかわします。この男のひとの弱さ、そして、彼らの家族の縁の薄さって今らしいなあと思います。みんなどこに行くのかな、そのなかで家をもつってどういうことを意味するのかなって考えさせられます。ラストは、登場人物が発見した、昭和な前川清の「東京砂漠」をお風呂で歌うのっていいですね。

 

プリンセスメゾン(2) (ビッグコミックス)

プリンセスメゾン(2) (ビッグコミックス)

 

  よしながふみ特集の雑誌で、かわぐちかいじ氏がいっていたのですが、大奥ものって閉じ込められた空間でくりひろがれるホラーなんですね。そんな人間の闇を描いて圧倒的だった第12巻を引き継いだ第13巻。大奥ものが好きなひとにおなじみの瀧山や家定や篤姫がでてきます。史実では家定の父、家慶は障害者だった跡取りを毛嫌いして、正室の甥、一橋慶喜をえこひいきしたひとだったらしいですが、男女逆転でその不仲をこういう形で描くのですね。最後に颯爽とした形で男性の篤姫がでてきて、これからどう展開するか楽しみです。男女が変えることで、今の社会を風刺していて漫画らしい漫画だなあと楽しみにしています。

 

大奥 13 (ジェッツコミックス)

大奥 13 (ジェッツコミックス)