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日々の思いを言葉に出来るといいなあと思っています

最近、読んでいた本 データって、大切。 「ルポ 産ませない社会」

  自分の子育てのどうしても振り返ってしまうので、棚卸し的な気分になって、購入してから、読むまで時間が、かかった本です。取りかかってみたら、読みやすかったです。どうにも、恐がりなのは、困ったもんです。子どもを産むのがなぜめんどくさいか、育てることが、たいへんなのかを、色々なインタビューとデータを使って、書かれています。おもに、妊娠中とお産についてが中心です。そして、それがその後の子育てにどう影響して、産ませないことにつながっているかがわかります。女性の仕事と妊娠との関係、産婦人科医の置かれた状況、妊婦の現状、かなりキチンと書かれていると思ってます。

 そして、感じたのは、20年前、感じたもどかしさと、それがそんなに変わらなかったんだということです。あのころ、お産をしていて、この産科の体制は無理がある。そして、出産後の子育てをしながらの仕事のやりかた。これらは、個々の個人の、それぞれの現場のがんばりで、やっとこさ、できているだ。そして、こんな不安定なやり方が、いつまで続くのかなという、恐れでした。この本を読んでみると、あのころより、もっと大変になっていて、ついに現場のひとが声を上げ始めたんだという気がしました。このように、今の子どもの誕生のころの現実を大雑把にまとめてくれてる本はほんとありがたいです。色々な個々の現状を愚痴り合って、消耗するより、入り口にして、色々と考えてみるヒントなる本だと思います。

ルポ 産ませない社会

ルポ 産ませない社会

 

  前の本を読んでて、自分の愚かさを噛み締めて、色々と辛かったので、ちゃんぽんで、村上春樹の旅のエッセイ「遠い太鼓」を読んでました。かつて、ちょこと、立ち読みで読んでいて、読んだつもりで忘れていて、読んでなかったのです。「ノルウェイの森」執筆前後のギリシャとイタリアを中心にした、紀行文です。ちょうど、36才から、40才ぐらいのころの日本脱出の話です。今、読んでよかったです。現在のギリシャの現状がすごくわかりやすくなりました。なるほど、この頃から、経済的にあやうかったんですね。ギリシャは、海運業がダメになって、観光という不安定な産業で国をささえることになっていて、大変だということが、このエッセイから、感じられました。 しっかり旅先の現地の現実のむずがゆさも描いていて、面白いです。不安定でぐらぐらしているものを具体的に説明しているということから、先にあげた本と同じことを読んでいるような気がしました。だから、交互に読んでいたのかな。

 この本の大きなテーマは、よく、世間に言われているところの36才ぐらいの精神的危機をどう乗り越えるかと言う事だと思うのです。私は、36才ぐらいって、人間の生物的な限界が見える時期なのだと思っています。女性だったら、出産のぎりぎりの時期です。また、20代の初期までに子どもを産んでる人は、子どもが高校生ぐらいで、ほぼ成人してしまうのです。元々、人間はそう設計されてると、私は思っています。男の人だって、わかりずらいけど、実はそうなんだろうと思っています。村上春樹は、「ノルウェイの森」を書き、日本を離れて旅に出て、新たな村上春樹になったんだと思っています。その貴重な記録として、そのことを共感できて、面白かったです。私はどうだったんでしょうか。まあ、元気で生活しているので、なんとかしたんだろうと思います。そんな新たなことが起こる予感を考えながら、二月を過ごしてました。もうすぐ、春なんだなあ。

 

遠い太鼓 (講談社文庫)

遠い太鼓 (講談社文庫)

 

 

 

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