oohama5656's blog

日々の思いを言葉に出来るといいなあと思っています

高倉健さんのご先祖さま

 高倉健さん、亡くなりましたね。あってほしい日本人を演じた大スターだったなあと、思います。私は、「幸せの黄色いハンカチ」、「八甲田山」あたりしか知りません。ものすごくお好きな方や、詳しい方がおられると思います。かつての、東映任侠時代の名作も見たことありません。そうですが、あえて、あつかましく、書いてみます。

 それは、高倉健さんの5代前、歌人筑後の商家の主婦だった、小田宅子さんが、書かれた「東路日記」という本のことです。今の福岡県の中間市あたりの人で、宅子とよんで「いえこ」と読ませます。その人が、52才で隠居して、お友達と、お伊勢参り、江戸、善光寺とまわった旅日記をかかれたようです。作家の田辺聖子さんには、姥盛りという、老後の理想をえがいたシリーズがあるのですが、その最後で、『姥盛り花の旅笠ー小田宅子の「東路日記」』として、かいつまんで、翻訳して、紹介されています。これが、優雅でユーモアがあって面白い本です。この本は、道中から20年かけて、天保年間、1860年に書かれています。宅子さんは、地元でも有名な歌人だったので、すてきな和歌をちりばめ、道中のこともちょっと辛口もまじえて、楽しんで書かれています。高倉健さんファンである田辺さんは、出版にあたって、お手紙を出され、喜んでいただいたとちゃっかりエッセイに書かれています。

 高倉健さんが同世代の女の人にどう愛されていたかを感じさせる話で、好きなのです。宅子さんは、当時でも長生きな82才でなくなったそうです。英語の達人でもあった、高倉健さんが、俳優という仕事を選んだ熱い心、そして、底にあるたくましいユーモアにこの女性への尊敬が、背景のひとつにあったと思います。ご冥福をお祈りします。

 

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