oohama5656's blog

日々の思いを言葉に出来るといいなあと思っています

2017-01-01から1年間の記事一覧

「ムーライト」そうはひとは変わらない

「ムーンライト」は月のひかりで黒人は青くひかるという伝説をモチーフにした、ゲイに生まれついた黒人青年の心のたびを描いた映画です。青を強調した画面がとても綺麗でした。青年は黒人貧民層の性について過剰さを競い合う社会で浮きまくり、いじめられま…

映画に知識は必要か

映画「浮雲」のブログを書いていたとき、森雅之の父の有島武郎について書こうか迷ってしまった。略歴の確認でネットを見て、不意に思い出したからだ。私は、ずっと、かつて読んだ、有島武郎の童話「一房の葡萄」がひっかかっていた。すごくロマンチックだけ…

映画「牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人 事件」ざわざわする思い

『牯嶺街クーリンチェ少年殺人事件』予告 めったにないことですけど、台湾の映画、エドワード・ヤン監督の「ヤンヤン 夏の思い出」のレンタル料を滞納してしまって一万円になったということがありました。内容はぼんやりしていて、イッセー尾形が面白かった…

不幸とか幸せとか 成瀬巳喜男「浮雲」

TOHOシネマズに「午後十時の映画祭」という古い映画を紹介する企画があり、成瀬巳喜男の「浮雲」見てきました。「浮雲」はNHKでDVDで録画していても、どうにも見られなかった映画です。男女のドロドロって苦手なんです。しかし、デジタルリマスターなんだし…

村上春樹「騎士団長殺し」読みました

いつもは文庫になってから、読んだりしてたんですが、今回ははやばやと第一部をよんで、急いで第二部を手にいれて読みました。エンターテイメント小説として抜群に面白い。まあ、村上春樹エッセイいわく、まんまとaddictionにかけられたのかもしれませぬ。ち…

世は移りゆく「買い物とわたし お伊勢丹より愛をこめて」  山内マリコ

先日、沖縄に行ってきました。12月ごろから、沈みきっていて、お正月準備もままならない。で、旅行でもいこうかと、格安チケットで予約してガイドブックを読んでみたもの、全然のらないどうしようかとと思っていた前日、この本を読みました。そのなかで那覇…

谷口ジローに再会する「遥かなる町へ」

谷口ジローさん、亡くなりましたね。ほとんど読んだことないし、なにかお悔やみめいたものを書くのもおこがましい。この前、永六輔さんが亡くなったときも思いました。彼の書いた市井のひとの生き様を聞き書きした一冊は、たしかに私の人生のたいせつなもの…

ささやかだけど大切なこと

10日ほど前に、私の「映画館に行こう」というお題のブログが紹介されていて、1年前ほど前の隅っこの記事を、よくぞ紹介してくれたなあと感謝しています。映画を見る若い人たちに、ぜひぜひ感じ取ってもらいたいことだったので、うれしいです。 hatenanews.com…

実感としての戦争「戦争と一人の女」

こどものころ、 戦争体験をかたる人の話を聞いていると、一種の冒険談のようなはなしになって、目が輝やくのって不可思議だった。かの太宰治が疎開先を転々としながらも、一番健康だったのは戦争中だったと吉本隆明の本でよんだ。障害者も仕事が初めて回って…

雨宮まみ「東京を生きる」ことばにできないこと

雨宮まみの「東京を生きる」を読んだ。なんとなく呼ばれて、デビュー作の「女子をこじらせて」もよんだが、そちらはいろんな要素を詰め込んで読みずらかった。その混沌をそのままさし出したのが、こちらの本だ。たった5年ぐらいかな。こんなに簡潔な文章に進…

生身の人間がいる。映画「沈黙」

昨日、映画「沈黙」を見てきた。若いとき、感銘をうけた小説だ。何年か前、修道士を志したマーティン・スコセッシが映画化すると聞き、面白いなあと思ってずっと待っていた。ちなみにスコセッシの映画は「タクシードライバー」と「ギャング・オブ・ニューヨ…