読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

oohaman5656's blog

日々の思いを言葉に出来るといいなあと、書いています。

映画「白河夜船」

 映画「白河夜船」を見てきた。吉本ばななの小説は、文学でしか描けない描写に満ちているので、映像化は難しいけれど、よくできていた。井浦新谷村美月もよかったけれど、安藤サクラは、改めてすごい女優だなあと思った。

 私が吉本ばななの小説を読み始めたのは、子供を産んで半年たって、初めての映画を見に行った時だ。チェン・カイコーの「さらばわが愛 覇王別姫」を見に行った。なんで、見に行ったかというと、彼の「私の紅衛兵時代」を愛読していたからだ。今思うとへんだ。普通、もっと楽しい映画を見に行くよね。

 そのとき、「南米と不倫」がドゥ・マゴ賞をとっていて、原マスミさんの表紙が印象的な本が、東急文化村で飾られていた。ふと読みたいと思って、当時あった東急百貨店前のブック・ファーストで買って読み始めた。そのあと、ひかれて何冊か読み進めたあと、何かの用事で、はなやかな表参道に行って、裏通りに紛れ込んで、新興宗教の建物やら、クレヨンハウスの裏戸やらをみたとき、不意に吉本ばななの悲しみと私の悲しみは共鳴できたんだと思った。吉本ばなながデビューしたとき、なんだか有名な人の娘さんで、おしゃれな本を書くという感じで、彼女が世に出た時は同時代で読まなかった、初期の「キッチン」や「白河夜船」を読んだ。それから、吉本ばななが子供を生んだこともあって、そのいきさきを一緒にたどりたくて、読者のひとりとなった。 今回、映画館で読者である、同世代のひと、年上のひと、若いひとと会って、映画をみれて、うれしかった。映画館のやみは優しい。

shirakawayofune.com