oohama5656's blog

日々の思いを言葉に出来るといいなあと思っています

やっぱり「ジョジョの奇妙な冒険」はいい 下

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 もう一つ見た「黄金の風」編はひたすら美青年たちを見せるマンガだと思う。一応、マンガの三部までの悪役ディオのイタリア育ちの息子であるというジョルノ・ジョバーナが主人公ということになっているけど、独立した作品だ。ひたすら、ミケランジェロをはじめにしたイタリア彫刻たちをマンガ化したものだ。

 だいたい、ジョルノは少し美術が好きな人だと露骨にダビデ像が元なんだなってわかる。その肢体がその当時の最新センスの男性ファッションをまとっている。登場人物たちがひたすらファッショナブル。なかでもかっこいいのがグループのリーダー役、ブチャラティだと思う。正義に燃える端正な美青年。

 

 執筆時、パンツのローライズがはやっていたのかな。けっこうな登場人物がに恥骨までのお尻を露出していて、ドギマギする。女性は漫画表現ではセクシーをでかい胸で強調されるが、この作品で唯一出てくる女性キャラであるトリッシュもお尻が出てる。でも、強調はされていない。なんというか、肢体自体でセクシーな感情を呼び起こす。ジョジョ立ちってことばあるけど、この辺りが荒木飛呂彦の個性なんだろうな。

 以前からイタリア美術の導入は教師の息子だった永井豪とかあったんだけど。彼も魔王ダンテとか描いていて、もろ、イタリア好きだ。

 そのビジュアルで殺人に手を染めギャングにならざる得なかった宿命を背負った美青年たちが、ナポリがモデルであると思われる場所から、ボスのかくされた娘トリッシュを守りながらイタリアを旅する。いや、イタリア案内も。楽しいものてんこ盛りでしょう。

 ギャングがギャングと闘う話なので残虐な話が堂々と描かれているのも特徴ですね。だからこそ、悪役の息子が主人公なのだ。

 その深刻な話を彩る、グロテスクな幼稚さが楽しい。悪役がチョコラーテって、イタリアの人だと笑っちゃうでしょう。なんというかバンド名、楽曲名の導入もベタ。青年たちの一人、ミスタが使う特別の弾丸のスタンドも変。ジョジョでは超能力をそういう。それがセックス・ピストルズっていうのって、バンドファンだと怒るかも。そのスタンドが人格があってピザ食べるんですよ。

 しかしながら、この話は宿命にあらがう青年たちの物語りなんである。

リーダー、ブチャラティはスティッキーフィンガーズというスタンドを使う。これはミック・ジャガーがボーカルだったローリング・ストーンズの名アルバム、ステッキーフィンガーズの表紙にヒントを得たものだ。

 私はこの名盤なんども聴きました。麻薬の比喩である曲目を持つbrown sugarから始まる最高にかっこいいストーンズ全盛期のアルバムだ。なんというか、荒木飛呂彦のマンガはロック魂があるのだ。

 このアニメ化は、脚本構成の小林靖子が列伝として、一話完結のアニメのスピード感を生かした原作の再構築しているのと、声優さんの名演で大成功だと思う。しかし、最近の声優さんたちの大人で複雑な話の解釈、素晴らしいなって思う。映像もしっかりイタリアした背景が生きてるし。ますます、原作が読みたくなった。


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