oohama5656's blog

日々の思いを言葉に出来るといいなあと思っています

水木しげる 魂の漫画展 漫画についてつらつらと

 

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特別展・企画展|展示案内|龍谷大学 龍谷ミュージアム

 お彼岸のお寺の法要の帰りに「水木しげる 魂の漫画展」を見てきました。幼少期の絵画から代表作の原画。なかなかに充実した展示でした。最初にお弟子さんだった池上遼一さん出演の13分の映像。「クライングフリーマン」好きだったなあ。

 どう水木マンガが描かれたか、実演つきです。話されるエピソードも面白かった。鬼太郎の週刊少年マガジンの執筆は三日の期限だったので、当時チーフアシスタント的立場のつげ義春とふたりで必死で落ちを考えていたとかも、言ってましたね。まんがの細密な背景も展示されていました。数々の背景がコピーされて使いまわされていたんですね。美大を落ちたり、中退した水木先生が、バイトの美大生をこき使って書かせたという怨念都市伝説は聞いていたのですが、どうでしょうか。

 見てた当時、背景とのほほんとしたキャラの違和感はすごく感じたのですが、これは水木プロのしごとだよってことがきちんと展示されていて潔いなっと感じました。ほぼ、池上先生が書かれたとされる絵もしっかり展示されてました。悪魔くんの雑誌連載のころは、つげ義春タッチがすごく色濃くて、改めて読んでみたいと思いました。つげ義春さんは白土三平さんを手伝っていた時は白土タッチで、いろんな人を吸収していったんだなと感心してましたが、改めて水木マンガを通しても、マンガ史上の影響があったんだなと感じました。

 じゃあ、なにをもって水木まんがというのか。幼いころの絵画作品が絵本がほとんどだったことからわかるように、何よりも物語を語りたい人だったんだな。そして、それは晩年のえほん作品からも感じました。では、何がすごいか。それはキャラクターの造形なんだろうなって。この前、「中国嫁日記」の井上純一さんがtwitterでいっていたことがヒントになりました。奥さんのユエさんというキャラクターが案内してくれることで物語にはいりこめると。なるほど。

 鬼太郎といい、ねずみ男といい、あんなことをしそうだ、あんなことを言いそうだってことのような気がします。それがものがたりを転がしていく。悪魔くん河童の三平というかわいらしい人たち、そして、おどろおどろしい妖怪たちを形作る力、それが水木まんがのキモなんよって教えてもらいました。

 戦記マンガの代表作「総員、玉砕せよ」もみっちり展示されています。そして、水木少年が、のんのんばあとみた境港の正福寺の地獄極楽図のレプリカもありました。すばらしい絵画で、どんな田舎でもしっかりした絵があることは、大切なことだなあと。水木先生はこういうのが書きたいと強くゆさぶられたのだろうな。

 ビデオが終わるとスクリーンの裏はガラス窓になっていて、向かいにある西本願寺の伽藍が幻想的に見えました。あっと思ったので、御覧の方に失礼かもと思いながら、写真を撮ってしまいました。大谷探検隊仏教美術中心の美術館ですけど、京都駅から20分ほどで近く、ならびに元祖クッキーの松風を売る亀屋陸奥があり、京都水族館京都鉄道博物館もそばなのでいい感じです。ちらほら来てる外国人観光客が、どん欲にショップの漫画本を求めてたりします。このあたりは意外に行くところがあります。

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www.kyotorailwaymuseum.jp

www.kyoto-aquarium.com