oohama5656's blog

日々の思いを言葉に出来るといいなあと、書いています。

高畑勲さんが亡くなったこと


じゃりン子チエ TV版OP/ED

 高畑勲さん亡くなりましたね。そうか、よく考えてみたら、「蛍の墓」以降、やだと思いながら、全作品、映画館で見てるのですね。ファンなのかな。最高傑作は、やはり、「蛍の墓」だと思います。けど、一番好きなのは「じゃりン子チエ」です。

 結婚したてのころ、土曜日に必ず行く、ドライブの途中にお好み焼き屋があって、その店から、チエちゃん役の中山千夏のテレビの主題歌が聞こえてきて、今週も終わったんだなと感じさせられました。そして、日常は続くんだなとあと。そのころ妊娠と流産を繰り返してました。

 原作はドタバタなんですけど、底に暗い情念があって、それが映画では、ラストのチエちゃんたち一家の仲直りの観覧車の場面でぱっと広がるんですね。客観的にみえてしまう。親の前では、ことさら幼さをよそおう子供、そして、幼稚だけど、性的な魅力のある男、そして、その男にひきづられている女。中山千夏は子役で一家を養ってきたひとだし、てつ役の西川のりおは、北野武の奥さんの恋人だったひとですからね。もててたと思うよ。最後はあかん男のてつの元へよしえさんはかえって、日常は続いていくというもやんとした終わり方です。そういった意味では、映画として良くても、日常を描いたテレビシリーズのほうが気楽でした。

 「ホーホケキョ となりの山田くん」は、ご近所に住んでいた、いしいひさいちの原作でした。デビュー作「バイトくん」の表紙のひとつが、父が行ってた好楽というパチンコやさんで、父に原作教えてもらいました。友達がアテネフランセに通っていて、彼のおじさんと知り合いになってたりしてね。誘われていったベルイマンの「処女の泉」の上演会にこられてました。そんなかんなで、やはり見に行きました。平凡な人たちの平凡な日常への愛って、生真面目にやられるとつらい。そのころから、高畑勲は、ますます見づらい映画を作るようになったかな。

「おもいでぽろぽろ」では農村の人たちのエゴを、「ぽんぽこ」では熱いニュータウン批判、痛いなあ。最終作の「かぐや姫の物語」では文明そのものを。亡くなられてから、これも最近亡くなられた雨宮まみさんのすぐれた批評がSNSに出回ってきてましたが、当時は読んでて避けてました。そうなんですね、美人とか、すぐれた人って、人としてさえ扱われなくなるっていう言葉は重いですね。でも、優劣で争って、特別というかせを利用して生き抜くというのが文明なんですね。最後にプロデュースした「レッドタートル」にいたっては、カメと結婚した主人公の息子は亀になって海に帰っていくという、人間つまらんという結論ですもん。これから、去っていく高畑勲はいいけど、俗にまみれた私たちはどうしたらいいでしょうか。そんな宿題を残して、彼は去っていったなあ。お世話になりました。お疲れ様です。

 

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