oohama5656's blog

日々の思いを言葉に出来るといいなあと思っています

ゆがんでいてもいい「エル ELLE」

 オランダの映画監督、ポール・ヴァーフォーヴェンの新作「エル ELLE 」見てきました。代表作、ロボコップ、下品な感じがやさぐれて、かっこよかったですね。この新作は、フランスの女優、イザベル・ユペールを主役にした映画です。彼、もう、80才になるのか。わざわざ、このためにフランス語をきちんを勉強したらしいです。ガッツあるなあ。人間っていう矛盾した生き物を面白がって作っていて、今にがつんとあたってくる面白さです。

 あるゲーム会社の社長である一人暮らしの女性が暴行されたがで、始まる話です。でも、彼女は警察を頼れない、あるわけがありました。ここまで、ひどい理由はそうないかな。そんなことがなくても、泣き寝入りが多い犯罪です。

 でも、そこは成功を勝ち取れる、したたかで、知性のある女性、で、結構、主人公がエッという行動に出ます。でも、ゾクゾクするような恐怖もですが、彼女がわかってくると、納得できるはなしなんですね。特に途中でわかっちゃう犯人との関わり、変ですが、ありえないことではないと思わされます。

 それは、長い間、正義や倫理を理由に、いじめるのが本性である人間の部分にさらされて、戦ってきた主人公だからこその行動なんです。どんな人間も美しさとみにくさをもっていると、体ごと知っていった、彼女だからこそだと感じました。だから、さいごに、親友の女性、そして、犯人の妻も、彼女に共感します。

 そんななかで、訳ありの両親をみとり、息子が親になっていく人生の変化もしっかりと描かれているのも渋い。若いとき、なんだか、地味な大女優だった、ユペールが64才で、こんなにエロく、美しく、貫禄のある姿で、現代的な女性として演じ切るのっていいなあと思います。

 

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