oohama5656's blog

日々の思いを言葉に出来るといいなあと、書いています。

旅がしたい「芭蕉紀行」

 いつか、芭蕉の歌まくらの旅がしたい。そう思ってたところ、嵐山光三郎芭蕉関連の本をたくさん出しているのを知り、この本を読んでみました。旅案内をしながら、芭蕉の内面に迫った良書。 まず、芭蕉の時代で、失われた道が結構あることがわかって、ためになった。そんなけもの道を踏破するひともいるらしいだけど、私は、もう、無理なんで助かる。

 行ったところで、芭蕉と会話し、その内面に迫っていく。有名な奥の細道もなんだけど、あまり、言及されていない旅のはなしも面白い。

 芭蕉のプライベート、芭蕉芭蕉になった大きな理由もしっかりと言及されている。芭蕉は子沢山の貧乏人のあまりっ子だったが、聡明で感じのいい少年だったらしい。それで、身分の高い武士の若様のお話相手として雇われた。形は台所の係り。しかし、その少年は、若様と一緒に、歴史書に乗るほどの北村季吟なんかの俳諧を学ぶうちに、若様を抜くほどの才能を発揮したらしい。しかし、跡取りだった若様が死ぬと、衆道の相手でもあった青年なんて、じゃまなだけだ。しかし、学問を知り、芸術を知ったので、身分通りの生活には戻れない。それから、芭蕉の放浪は始まったらしい。

 この若き日の喪失が芭蕉の人生を狂わせてしまった。江戸で流行の俳諧師として、成功しても、そのことがもとで、内縁の妻としてとどめた女性と跡取りとして引き取った甥に駆け落ちされたりした。芭蕉が、江戸時代、芭蕉を植えた、草深い深川に隠れ住んだのも、それが原因だったらしいですね。芭蕉門下は、武道の達人やらの激情家が多かったりするのは、芭蕉自身もあれだけの旅をこなす頑強で強欲な人間だったからでしょう。それで、若様を追い詰めたところがあったのかもしれない。

 芭蕉の人生の鍵になったこのことが、過去でもあまり語られていないのは、当時、背景にあった衆道が友情の延長線上のありふれたことだあったこともある。そんな感情を描いた西鶴の「男色大鑑」、漫画でも読んでて良かった。当時の感情が少しは想像できる。読書って、繋がってますな。そんな芭蕉が、奥の細道で、俳句を通して、死を知った人間の根本を求めていく。それを旅で追体験してみようっていうのが、この本の趣旨みたい。美味しい食べ物なんかの話もあって、お気楽に見えますが。

 で、私、お盆休み、この中の野ざらし紀行の話にあった小夜の中山、夫の運転で行くことになりました。旅って、面白いんで。

 

 

芭蕉紀行 (新潮文庫)

芭蕉紀行 (新潮文庫)