oohama5656's blog

日々の思いを言葉に出来るといいなあと思っています

9月に展覧会へ行こう

 かつて、子供たちが学校に行く9月になると、親も子もほっとしたものでした。そんなとき、ふらっと美術館にでかけました。わりに疲れていても楽しめる気晴らしだと思う。なので、9月にやっている展覧会を紹介します。不便なところもちょっとした旅気分にもなります。

 まず、箱根のPOLA美術館。印象派のコレクションで有名です。企画展もわりかた充実してるのがいいです。9月10日から藤田嗣治やルソーの展覧会です。ラインナップでわかるように、疲れない、人に突っ込まない絵が中心で、日帰り温泉がてら、お友達といくのもいいでしょう。

www.polamuseum.or.jp

 夏、頑張ってみてきたのは、こちら。群馬の高崎でやっていた時も見たかったですけど、遠すぎて、川崎でやってくれて助かりました。9月25日までやっています。京都精華大学の美術科が全面協力していて、そこで教えてる、イタコ漫画家田中圭一の監修がしぶいです。漫画を描く人にすごく参考になるようです。目録も教科書代わりになる。漫画の展示はむずかしく、いくつかいっても、もう一つなものが多いけど、技法を中心に解説しているし、きちんと一枚絵としてみせられる原稿を中心に展示していて、グッときます。

 私は二十四年組の漫画で育って、どちらかというと萩尾望都派なんだけれど、精華大学長でもある竹宮惠子のすごさがわかりました。すごく細密だし、Gペンを交えた力強さのメリハリがある。「風と木の歌」の下書きは圧巻です。めったにみれない諸星大二郎の原画もあったし、庵野さん絡みで今のってる、島本和彦先生のもあります。個人的に懐かしかったのは、さいとうたかおプロダクションの「無用の介」。プロ発足直後の作品で勢いがあります。集団で描く漫画の立体的細密さに驚きます。最初の少年誌連載のとき、たち読みしてたのを思い出しました。

 好評につき、来年の三月から京都で展示することが決まったようで、いっしょに精華大が絡んだ、京都マンガミュージアムによるのもいいかもです。「まんだら屋の良太」の畑中純、没後直後に、あそこではじめて読んだなあ。好きだった少女漫画家さんの最終作読んで、宗教にハマったマンガで悲しかったのも、いい思い出です。最近のマンガは予算の関係とかもあって少くないけど、えっという、うまいマンガに出会えるところだとも思う。

www.kawasaki-museum.jp

 最後は京都つながりで、世田谷美術館で染色家の志村ふくみの展覧会が、9月10日から始まるようです。民芸運動の流れを汲み、日本の伝統美をモダンに再現したかたで、普遍的な新しさがある。今も現役というのがすごいです。圧巻は最澄の着た母衣に触発された、新作「母衣曼荼羅」です。母衣とは袈裟、もしくはぼろのことでもあって、最澄は平安初期の貧しい人たちの遺体の着物の切れ端を集めた作った、母衣を着ていたらしいです。比叡山行ってみたくなったなあ。行ったことないんです。そんな日本の服飾文化を学び、消化した彼女の作品は見るべきものです。巡回も最後です。全作品の回顧展でもあるので、おもな全貌がわかります。

shimuranoiro.com

 まだまだ暑くて、9月は展覧会はどうかなって思いますが、秋の展覧会シーズンの前なので空いていて、じっくり見れます。