oohama5656's blog

日々の思いを言葉に出来るといいなあと、書いています。

生きてみてどうでしたか「海よりもまだ深く」

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 あっと思ったのは、最初の団地の場面でラジオが出てくること、このラジオ持ってたんですよね。CDが聞けるし、子育て中、お風呂で聞いてました。ピンクでデザインも好きだったんだよな。なんとなく気になるこのラジオが、あとで大きな役割をはたすのは嬉しかったなあ。

 ふつうの人のちょっとかっこわるい人生を、是枝映画でなじみのある役者さんの演技でつづっています。樹木希林も「あん」では感覚の鋭い部分も演じていたけれど、ここでは普通のおばあさんを観察し抜いて演じている。衣装がリアルでたのしいです。衣装、いいですね。主人公のなげやりな感じの服も真実味があります。

 よかったと思ったのは、姉を演じていた小林聡美が生活感がある泥のついた感じに戻ってきていたことです。「かもめ食堂」はよかったけれど、そのあとの映画はおしゃれすぎて、ちょっといやだった。夫役で高橋和也がいつものうるさい兄を演じているのもうれしい。 今回、阿部寛はどうしようもないダメ男を演じているけど、デビューのころのキラキラを知っているものとして、観客の爆笑をとってる彼に、生き抜いたなあと共感しましたね。そういえば、この映画に出てくる男たちは、主人公の弟分も、ばあさんがちょっと好きなじいさんも胡散臭くて、おかしい。

 どうしようもない男で元妻も本人でさえもうんざりしているけれど、ある台風の夜、一人暮らしの母の実家に子供と三人で泊まることになる。そこにテレサ・テンの曲が流れてくる。テレサ・テンいいですね。若い人でも、好きな人多いのではないだろうか。なんだか、明るいあきらめがあって、さわやかなんですよね。歌詞しめっぽいのですが、軽く歌われるとドキっとします。

 どうです、あなた、生き抜いてみてどうだったですか。セリフがくどいところがあって、余計なお世話だって言いたいところもあるのですが、三人が団地から帰る朝の光景をみて、私はしみじみ、うらやましいって感じたのはなんだろうね。幸せって一瞬なんだな、それは境遇とかとは関係ない。ラスト、息子と元妻と別れた男は街の雑踏にまぎれていくのが、自然で切なかったです。ラストが残像として残るっていいなあと思います。

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