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oohaman5656's blog

日々の思いを言葉に出来るといいなあと、書いています。

中野翠「この素晴らしき世界!?」

 図書館に行ったとき、サンデー毎日で連載されている一年間のエッセイをまとめたこの最新刊があった。今もコツコツと読んでいる読者がいるのだなという思いで読んだ。中野さんを知ったのは、父が、弟が通う進学校の大学進学の数を確かめるため、サンデー毎日を買っていたためだった。データーを見た後、ポイッとほってあった本を拾って読んだのがはじめだ。進学を煽る記事の横、人間の値打ちはそんなもんじゃないだとばかり、本や映画の紹介、そして、大好きなお洋服や世相をきりっとした感性で語っていて痛快でありました。彼女のインタビューも読んだが、「世間知らず」と自分を明確に語れるのが、この人の強さだろうと思う。そうか、もう連載30年になるのですね。私が中野さんを読み続けたのは同じように「父にこだわりがある」ってことかなと思う。ファザコンって、父が絶対というより、こだわりなんだと思う。

 結婚したあとも、子育ての合間に立ち読みで雑誌をちらちら読んでいた。これはじっくり読みたいと思ったときは買ってたのでお許し願いたい。そういえば、最近読んでなかったので、中野さんがちょこと入院されていたこともこれを読んで初めて知りました。でも、文章を読むとお元気そうでなにより。去年あった子供たちの痛ましい事件について、「逢う魔が時を忘れるな」といった指摘をされているのも、いいところついているなと思う。やはり、映画や本で鍛えられた独自の視点だろう。私は、彼女のエッセイで小津安二郎清水宏のモダンさに気がついて見るようになったのだが、1954年の銀座にロケをした「都会の横顔」を見て感動されているのもうれしかった。私は2011年のお正月に日本映画チャンネルで泉麻人さんが、「東京散策」というお題で何本かの映画を紹介されていて、この映画を見た。雑踏にまみれて、池部良サンドイッチマン、昔の人間広告にふんして、当時の銀座の世相に触れるという映画だ。庶民の群像をそのままオールロケで取り込んだ斬新さはびっくりだ。ブラタモリの銀座編で出てくる甘味や銀座わかまつで私も知ってる女芸人丹下キヨ子があんみつを食べてるのも驚きだった。そういえば、放映は東日本大震災の前だった。それからも時間がたったのだな。

 

この素晴らしき世界!?

この素晴らしき世界!?

 

 

 

お洋服クロニクル (中公文庫)

お洋服クロニクル (中公文庫)

 

  埼玉にすむ女の子のお洋服をとおして、世の移り変わりをえがいたもの。イラストがかわいい。とんがったお洋服のことは記録されるけど、以外とまんなかの女の子のことは記録されていないので面白かった。そして、初めて町に子供服屋さんができた日のみんなの興奮を思い出した。

  

 

小津ごのみ (ちくま文庫)

小津ごのみ (ちくま文庫)

 

  死ぬほど色々と語られているだろうけど、小道具や衣装の幾何学模様へのこだわりについて語られているのが斬新だった。小津映画のテーマは時間だっていうのはそうだよなって思う。