oohama5656's blog

日々の思いを言葉に出来るといいなあと思っています

甘さがしみる、映画「あん」見てきました。

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 かつて、地元の駅前で、ふたりの独身のおばさんが焼いていた、とっても、美味しい今川焼きのお店がありました。駅前再開発がきまっていて、シャッター半分で店をだしているし、話しかけても、悲しげな目で見つめてきます。でも、これが抜群においしい。京都とかで和菓子に舌が肥えてるひとがほめるほどです。多分、お手製のできたてのあんこだったんじゃないでしょうか。いつも、静かに列ができていました。それを思い出して、映画を見てきました。

 この映画は、樹木希林演じるおばあさんが、永瀬正敏のどら焼きさんで、とってもおいしいあんこを作れることで働きだします。そして、あるわけがあって、流行り出した店がだめになるという話でした。詩人のドリアン助川さんの小説がもとなんですけど、映画の中で、ある場所で出てきたお汁粉のエピソードがあります。たぶん、彼がそれを食べて、この話を作ったんだろうと思います。なぜか酒飲みの男の人に多いですが、あんこが、苦手な人が結構います。そして、あんこ嫌いでも特定の店は大丈夫っていう人多いです。うちの長男も、浅草の徳太楼のきんつばは一箱完食できました。たぶん、そのあんは、小豆のアクを、時間をものすごくかけて丁寧に抜いているのでしょう。普通はサトウの甘さでアクをごまかしているのだと思います。人をなぐさめたいという強い気持ちがないと、おいしいあんこってできないのではないかな。おばあさんの中にあるその何かとはというのが、この映画の伝えたいことなんだと思います。

 河瀬直美の映画、初めてです。なんか、粘っこそうで食わず嫌いしてました。でも、普段、映画みない友達がすきで、見てみようと思ってて、この話引っかかったので、行ってきました。しかし、東京郊外でも、彼女は奈良の原始林のような怪しい緑を見つけてくるのだなあ。それは、命の循環とか、科学の力がおよばない古い人間の営みを感じさせるのです。

 

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