oohama5656's blog

日々の思いを言葉に出来るといいなあと思っています

その映画をみるのは、なぜか。

 ここんとこ映画を続けてみています。たぶん、映画界の興行のせいで、見たい映画が重なるからだと思います。お正月興行の絶対当たるなあという作品のあとに、これは、もひとつだけど、面白いかなという映画。たぶん、その辺りが、私の好みかもしれません。今回見て来たのは、「繕い裁つ人」ですね。これ、原作、読んでました。仕立て屋さんの話なんです。仕立て屋さんって、こういう風にお仕事するんだ、ヘェーって、感じと、若い人のものを大切にしようという流れと、そして、過去の人のすばらしい仕事をどうつないで行くかということに触れていて、今を考えさせるマンガでした。しかし、どうにも体質にあわず、途中で読むのをやめてしまいました。

 その理由は、野球で言うところのきれいなヒットを求めすぎているところです。いわゆる、野球界のレジェンド、イチローさんを私は尊敬しています。彼は、ごきぶりヒットといい、足で稼いだり、駆け引きでピッチャーを挑発したりしてまでして、あの大記録を打ち立ています。そして、その中で、いくつか、美しい芸術的ヒットを打って、人々を興奮させているのです。しかし、そのきれいなヒットを打つことだけにすると、調子のいいときしか、ヒットが打てないし、一番大事なチャンスのとき、観客を満足させられないのです。結構、才能のある打者にそういう人は多いです。そういう人は私にとっては、面白くないのです。どろくさくってもヒットという結果をだす、それこそが、パーフォーマンスではないか。それをこのマンガに感じたのです。話を美しくするのに、主人公と対立する人物たちとの葛藤があいまいで、そして、いい人すぎるのです。もっと、泥臭くっても話の結果をははっきりしていいのにって、思いました。今、自分が問題だなと思っていることを、当事者として、探り当ててくれてるのに、かっこよく見せてるのが、気に入らないというので、読み進めませんでした。まあ、好みかもしれません。

 で、映画化ですが、中谷美紀が主演っていうこと、監督の三島有紀子さんが、宮沢りえがモデルになった「Style book」での伊藤佐智子さんの仕事のようにと思ったということで、ちょっと見たくなりました。中谷美紀さんって、存在感が強いので、話がほわっとしなくていいかと思いました。「Style book」、斬新で好きだったです。何度も立ち読みしたんですけど、決心がつかなくて、買えませんでしたけど。で、見に行きました。お客さんは、最近見た映画の中で、一番はいってましたね。ほとんどが、女性だったのが特徴的だったかな。劇中のドレス、力が入っていて、見応えありました。片桐はいりの着ていた刺繍びっしりのスカート、可愛かった。話のポイントになる、黒木華が着るウエディングドレスは、役と彼女自身の個性に似合っていて。彼女は長い美しい髪がきれいですが、その髪をいかす、古風な味付けのベールがすてきでした。伊藤佐智子さんは、「あまちゃん」でも仕事しているそうですが、衣装のプロ中のプロなんだなと改めて尊敬しました。映像もすばらしく、原作のイラストをいかして、雑誌の美しいグラビアをながめているようでした。ただ、物語的には、どうしても、原作の閉じられた感じが、突破できてなかったかな。きれいに、もわっとするというのは、監督自身の資質もあると感じました。原作が終わってなかったのもありましたが、三浦貴大演じる、主人公と対立し、恋慕するデパート店員との結末がきちんと描かれてないのです。三浦貴大は、とても役にあっていて、いい演技だったので、もやもやしました。彼は初めて、大きなスクリーンでみましたが、お母さんの山口百恵さんに似ているところがあるなあと、今まで思ってなかったのに、感じました。皮膚の感じとか口元とかの顔のパーツが似ている感じただけでなく、静かな演技のときにただよう熱さを感じる暗さです。せっかくだから、その個性をいかしてもらいたかったです。

 気になって、原作の最終巻をやはり読んでみたのですが、もわっとした終わり方でしたね。やっぱり、やだと思いました。これじゃ、男のひとは、女の人にたいして、蝶みたいに、刺激を与えるだけ話で、つまんなかったです。これは、私が男の子の母親で、今どきの女の子への不満の私憤だろうか。その辺りを感じつつ、映画は、しっかり見てしまいました。しかし、これでは、お題の、その映画をみるのは、なぜかの答えも、もわっとしたみたいですね。まあ、ぼちぼちとなので、お許しを

映画「繕い裁つ人」公式サイト

 

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