oohama5656's blog

日々の思いを言葉に出来るといいなあと思っています

たしたことないけど、すごい人の思い出 ダラスバイヤーズクラブ

 2013年度のアカデミー賞主演男優賞と助演男優賞を 独占した映画です。マシュー・マコノヒーとジャレット・レトの演技がすごいっていうのもありますけど、私にとっては、脚本家が、20年前、モデルになった人物に会って、すごいなあ、かっこいいなあと思ったことが、映画となったということが、興味深かかったです。

 この映画は、HIVにかかった女たらしで、ジャンキーな主人公が、自分のためだけでなく、安全な薬をみんなに販売するという話です。映画化に20年かかったというのは、主人公のかかったHIVが、完治できなくても、共存できるように治療がすすんだこと、知識がゆきとどいて、差別がやわらいだためであります。もうひとつは、脚本家が、世の中を知り、彼に対する理解を表現出来るまでの、年月でもあります。その強い思いが、手作り感のある映画から、私には、人生をやけくそに生きてても、目覚めて、誰かのために戦ったり、今まで知らなかった世界を、知ったりすることもある。若いとき、おれは、はげまされた。そういう脚本家の気持ちが、伝わってくるのです。

 この映画の成功は、ふたりの役者の演技力のすさまじさもあります。しかしながら、適切な配役だったということも大切だったと思います。ジャレット・レトの根にあるきまじめさは、彼が演じた気の毒な男を、なぜ、主人公が仕事のパートナーに選んだかがわかります。そして、マコノヒーからは、ハリウッドのいかがわしさをくぐり抜けた色気を感じ、このすさんでいるが、賢い男とおなじ匂いを感じさせます。そして、アメリカ人らしい自立心あるマッチョなかっこよさは、彼自身が生き残るためにしぼりだした個性だと思います。演技って、もともとの個性があってこそのものなのだと改めて思いました。なかなかに面白い映画です。

映画「ダラス・バイヤーズクラブ」公式サイト

 

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