oohama5656's blog

日々の思いを言葉に出来るといいなあと思っています

「シャバはつらいよ」 「困っているひと」その後

 大野更紗さんの本、「困ってるひと」を初めて読んだとき、難病の人が、感情を持ち、考えていることに、びっくりしてしまった。今は情報が過多の時代で、人は見たいものしか見ないと生きていけない。その中で私にとっては、生きるのに必死で、保護されるべき人としてしか、見えてなかったのである。この本の中で、漠然として考えていた医療のありかたやら世の中の不合理さが、ユーモアにくるんでいるが突きつけられてた。患者は、医者のひとつの「作品」だと言う辺りなんか、医療の怖さが出ていて、目が覚める思いだった。手塚治虫の「ブラックジャック」のドクター・キリコ的な傲慢は、医療の普遍的なテーマだったと改めて思った。この本で、難病の人たちの存在が少し見え、医療にかかるお金の問題が少し動いたことは、良かったなと思う。

 著者の大野更紗さんのその後については、色々と見ていた。いつか、本人から、聞いてみたいと思っていた。そして、「困ってるひと」の後について、彼女本人の声で語られたのが、「シャバはつらいよ」だ。読んでて辛いことのほうが、客観的に多いのにも関わらず、色々な人との関わりの面白さが印象に残っている。生きることの意味、人生の不思議さを感じさせられる一冊だと思う。

 

シャバはつらいよ (一般書)

シャバはつらいよ (一般書)