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oohaman5656's blog

日々の思いを言葉に出来るといいなあと、書いています。

真夜中の土砂降り 「東京トライブ」

 

 

TOKYO TRIBE (ヤングジャンプコミックス)

TOKYO TRIBE (ヤングジャンプコミックス)

 

 

園子温の「東京トライブ」見てきました。一言で言うと、夏祭りを見てきた、感覚で、すかっとしました。私にとっては、なんにも考えないで、見れた映画です。確かにエロい場面や、残酷表現が多いです。しかしながら、真夜中の土砂降りの中という設定なので、虚構である安心感があり、歌舞伎の、怪談を見ているような感覚なのです。主役のふたり、鈴木亮平とラッパーのYoung daisも、愛嬌があって、影のないタイプなので、子どものけんか感がありました。前作「地獄でなぜ悪い」の主役、長谷川博己の笑顔のほうが、役者ばかの狂気を感じて、怖かったです。

 私は、井上三太の原作は知らないのですが、架空の不良たちの抗争を、「真夜中の大雨」を舞台にするのは、いいアイディアだなと、思いました。人間は、自然が、危機的なとき、理性と自我のたがが外れて、動物的になります。そこで、日頃の澱が、発散されます。その装置として、夜中じゅう、踊る、盆踊りなどがあります。昔、河内音頭は、祭文読みといって、社会的な事件や社会批判をリズムに乗せて、一晩中、踊り狂ったようです。私は、子どもの頃の盆踊りで、その感覚をちらっと、知っているので、あの感覚を思い出して、愉快でした。ラップの音楽を、盆踊り的に使って、アクションを見せる映画です。

 土砂降りのアクションといえば、黒澤明の「七人の侍」を思い出しました。あのアクションも役者たちが、ずぶ濡れになって、理性のたがが外れて見えます。今、見ても、凄いと思います。その流れの映像だと、思いました。

 そういえば、最近、これから、公開される周防正行の「舞子はレディ」を始め、三池泰史の「愛と誠」、阿部サダヲ主演「謝罪の王様」やら、歌って、踊っての映画、多いですね。世の中、歌って、あばれてでなくては、やってられないのかもしれません。

 そう思うと、この映画の最後の唐突なラストは、現代の些細な澱の描写として、面白かったです。お笑いとしては、うまくいってないかもしんないけど。

 


映画『TOKYO TRIBE』公式サイト