oohaman5656's blog

日々の思いを言葉に出来るといいなあと、書いています。

横浜トリエンナーレで、「華氏451」見てきました。

 先日行った、岡本太郎美術館で、ちらしあったんで、横浜トリエンナーレの映像部門のオープニング、フランソワ・トリュフォー監督の「華氏451」の上演会と大林宣彦監督の講演会、行ってきました。

 かつて、トリエンナーレで、靴の世界で、有名な、高田喜佐さんの展示があって、行った事がありました。そのとき、今いち、乗れなかったのです。これは、なにかしらの、イベントに参加するもんだなと、思い、今回、見にいって来ました。

 正直に言いますが、初めて、フランソワ・トリュフォー作品を見ました。気難しくそうで、苦手に思っていためです。私は、漫画家の萩尾望都さんの初期の作品のファンだったので、彼女が、影響を受けた、ブラッドベリの、幻想的で儚い本を、いくつか読んでいます。その中でも、「華氏451」は、とても、好きな作品です。

 しかしながら、映画の評判は、悪かったのもあって、未見でした。フランスは、ジューヌ・べルヌの国なんで、SF大好き国なんでしょうが、この前の「Dune」もそうですが、主に、予算の事で、うまくいかないようですね。

 正直言って、だれて、退屈なところも多かったし、恋愛ものとしては、なんだか、ちぐはくでした。ですが、私は、今見て、面白く感じました。メッセージを、強く、必死に、伝えようとしたことが、感じられたからです。

 本を読むということは、自分で、考えて、判断するということのヒントになるのですね。それに、空想に耽るのは、人々を働かせるのに、能率が悪いということもあります。だから、本を読む事を、邪魔したい人々がいる。与えられる事でなく、自分から、求める事だからです。

 いつの時代でも、人を従わせたい人は、人が、自分の考えを持つ事を、恐れています。それが、今も、ここにある問題である事を、レトロな美術や、役者の演技、そして、演出の力で、示唆されていました。そのことを、示す事に、監督は成功しています。そして、最後、本を奪われても、何かを伝承していこうとする人々の描写で、映画は、静かに終わります。

 そして、この映画が、今回2014年のトリエンナーレのテーマとして、選ばれた事を大林宣彦監督は、語ってくれました。それは、トリュフォーが、この映画の失敗に、強くこだわって、一冊の本を書いたことでした。どうしても、何年もかかって、映画化したかった作品が、なぜ、うまくいかなかったのか。しかし、そのことで、彼がどう変わったか。それは、失敗を抱きしめることなのでしょう。今回のトリエンナーレのテーマは、失敗を忘れ去るなという事のようです。

 大林監督は、作品のできとは、努力だけでなく、色々な条件が、きっちりかみ合う事であると、講演で、トリュフォーに共感を持って、語っていました。常に、映画を作り続けている人のなので、実感があり、重さを感じる話でした。

 大林監督から、彼の映画的なキャリアを、直接、聞けたのも貴重な体験でした。実験的な、8ミリ、16ミリの映画をたくさん撮られているのですね。映画界より、寺山修司や、横尾忠則さんといった、新宿のアート関係の人々と、ご縁が深かったみたいです。 商業的な映画の世界に、入られてから、映画界の人々との、折り合いが、結構、たいへんだったと、おしゃってました。二年ほど前に、初期のアート系の作品が、ニューヨークのMOMAで、上演されたとき、「アートは生活の役にたちます」といわれたことが、嬉しかったと話されている事が、印象的でした。

 今回、思い切って、行ってよかったと思います。色々と広がりのある体験でした。ただ、全体の監修をされている、美術家の森村泰昌さんとの対談の予定だったのが、森村さんが、来れなかったのが、少し残念だったです。「華氏451」をどう思われているか、聞きたかったです。トリエンナーレは、11月まであるようなので、また、色々な展示や、イベントをのぞいて見ようかと、思っています。

 

華氏451 [DVD]

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