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oohaman5656's blog

日々の思いを言葉に出来るといいなあと、書いています。

 ホドロスキーの「Dune」 上 中学生のころ

映画『ホドロフスキーのDUNE』公式サイト

 私が中学生のときの友人は、竹宮恵子と、萩尾望都と、石ノ森章太郎が大好きだった。今思うと、引っ込み思案で、自分を表に出さない私が、なんで、彼女と友達になれたのか、思い出せない。たぶん、漫画好きなのを知って、会いに来てくれたのである。

 彼女と、毎週、連載されている、「ポーの一族」について、語りあったり、いつか連載されると、予告されていた、「風と木のうた」についての、期待を語った。そして、009を理想の男とする、彼女から、「Dune」を教えられたのである。それには、石ノ森章太郎の挿絵がついていた。どうやら、彼の愛読書だったようだ。あの頃、「ギルガメッシュ」とか、暗い作品を連載していた。影響があったのだろう。そういえば、このギルガメシュとエンキドウの話も、これを、きっかけに、知った。

 「Dune」砂の惑星を読んで、ぶっとびましたね。なんて、不気味で、気持ちの悪い話なのだろう。特に、スパイスについては、本当に面白いと思った。そのころは、LSDとか、コカインとか、存在すら、知らなかった。いわゆる、70年代のアメリカの現実を反映していることもわからなかった。しかし、この超能力を得る物質をめぐる、光と闇の話は、強烈だった。

 本当に、彼女には、色々と、教えてもらった。女が、こうむる被害をさけれたのも、竹宮先生と萩尾先生を知ったからだ。そして、ブラッドベリを読んだのも、星新一を読んだのも、彼女のお陰だ。来るべき未来が、ブラッドベリ星新一もシャレにならない世界になったことは、少し寂しい。しかし、心構えができた。

 彼女は、私なんかと違い、過酷な生活や人生を強いられた人だった。だからこそ、アートを求めていたんだと思う。

 だから、「Dune」が、デビット・リンチで映画化されたとき、興奮して、見にいった。当時、映画雑誌で、リンチが原作を読んでなく、主演のカイル・マクマクランが愛読者で、話を教えたと、読んで、少し、がっかりした。これは、今まで、知りもしなかったホドロスキーの企画だと、わかったとき、その意味がわかった。

 世間的に、言えば、この映画はリンチすら、思い出したくない失敗作だ。この原作を映画化しようと、努力し、最高のスタッフを集め、イメージを具現化したのに、企画をぱくられた、ホドロスキーが言う通りだ。実際この映画を見ると、ほんとに、彼が作り上げたものを、パクっている場面が多い事が、わかった。そして、話自体は筋をなぞっただけだった。

 しかしである、いくつかのシーンは、今でも、思い出すほど、美しい。この映画で、大作で、たくさんの観客を動員するという、リンチの野心は、挫折した。企画をパクった作品であったことも、思い出したくないほど、彼を傷つけていたかもしれない。そして、頼まれ仕事より、プライベートな作家性の作品を作るようになった。

 成功していたら、どうな映画を撮っていたのかなあと、思う。派手で、大味な作家になっていたんだろうとか。そういう人、マイナーなときは、癖があったけど、成功して、駄目になった人はたくさんいる。それとも、スタンリー・キューブリックのように、なったんだろうか。

 そして、次の作品「ブルーベルベット」で、リンチの表の分身的な役柄を演じたのは、カイル・マクラクランであるのも、面白いなあと、思う。この、へんちくりんな小説を映画化しようという、ホドロスキーの試みは、色々と、考えさせられるものがある。 私は、それについて、語ってみたいと思う。続きます。