高校生のとき、メロンソーダに凝っていたことがある。高校は、中学の皆が、あまりこない、電車で30分ぐらいの高校に通った。駅前に住んでいるのにもかかわらず、わざわざ別の路線の駅まで、自転車で10分、電車で30分だった。
勉強はついていけなかった。いつも、学年で最下位を低迷してるけど、まじめくっさた女学生だった。人付き合いもうまくなく、退学させると、息巻いた教師が、親を呼び出そうとした。どうなったんだろうか、多分、悪いことをしないということだけで、うやむやになったんだろう。
卒業まじかに中退した、男の子が、バイクで学校の周りを走っているのを、皆が、騒いでいるのが、うらやましかった。
その中で、喫茶店で、アイスクリームが乗った、人工着色ばりばりの緑のメロンソーダを飲むのが、楽しみだった。部活仲間と暗い店内で、薄汚れたビニール張りの、座り心地の悪い椅子に、座りながら、飲むソーダは、美味しかったな。あれ、氷がばりばりで、多めなのもいい。たまに、ピンクもあった。見つけると、得した気分になった。私の親や、世間に対する反抗なぞ、そんなもんなんである。
でも、ささやかな、自分にとっての新しいこと、楽しいことを探すのは、うまくなったなあ。それが生き延びる知恵だった。で、バイクに乗って、過激なことしなかったこと、後悔してるって。
してない。まるっきり、違う自分になっていたからだ。そちらの自分でいいことがあったかもしれない。それと、これとは、別だ。自分は、自分でしかないからだ。
ドラゴンボールのように、人生は小さな修行の繰り返しでしか、進まないみたいです。