oohama5656's blog

日々の思いを言葉に出来るといいなあと思っています

ムーミン展

 

 展覧会に行って、目録を買うって、めったにないのですが、じっくり、見たくなって、購入しました。それは、童話集の原画自体のサイズが、本にすっぽりはいることと、その小さな絵に、たくさんの情報が、はいっていて、物語を一枚で語っていたからです。だから、 絵を見ているだけで、ムーミンの物語世界が迫ってくるのです。東映動画の人が監修していますね。それも、興味深いです。

 

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 特に気に入ったのは、「ムーミン谷の彗星」の絵です。自然の大きな暗闇の世界のなかのムーミンたちは、ちょっと、色っぽくて、滑稽です。

 

新装版 ムーミン谷の彗星 (講談社文庫)

新装版 ムーミン谷の彗星 (講談社文庫)

 

 

 ペンで描かれた細密画だからでしょうか、暗い感じが、ガロ系の漫画に似ています。前、ブリューゲル展に行って、水木しげるが、影響を受けているのを知ったので、偶然じゃないと思います。同じペンで書く、漫画という表現の根っこのひとつは、ヨーロッパの宗教的な銅板画の延長線にあるんじゃないでしょうか。ムーミンも同じように銅板画の影響を感じます。

 

 なんとなく、初期アニメのムーミンとは、トーベヤンソンの世界とは、違うと聞いてはいたので、なんで、アニメになったのか、とても、不思議でした。イギリスで、新聞に、作者トーベヤンソンの原案で、弟のラルスが描いたコミックが20年ほど連載されていて、人気があったみたいです。その辺りで、アニメにしようと思ったのかな。

 これは普遍的なものがある、日本でも受けると発見した、アニメーターはすごい。初期のアニメは、作者には、受け入れられなかったようですが、スナフキンは、充分、存在感があったと思います。同じアニメプロはガロ連載の「カムイ外伝」を制作してるので、どこか、つながっているのではないでしょうか。なんか、もやもやします。 

 トーベヤンソンムーミン以外にも、壁画などの絵画作品もたくさん製作してるようだし、小説なんかも書いてるようです。全貌が見てみたいです。とても、大きくて、密度の濃い世界は不思議がいっぱいでした。謎が深まった、楽しい、展覧会でした。