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oohaman5656's blog

日々の思いを言葉に出来るといいなあと、書いています。

 見てきました アデル ブルーは情熱の色

 

 エロな映画がカンヌで賞を取ったと、話題になっていましたが、見てみると、とても、 面白い青春映画でありました。そして、ふと、思い出したのは、ダスティン・ホフマン主演の「卒業」だ。名優が、演技を認められた名作だと思う。これは、男の子が性愛を通して、大人になることを、細やかに描いた映画だ。それにとっても話が似ている。

 

 男の子がめろめろの性がらみの恋愛をして、大人になる映画は多い。私が思うに、高校生ぐらいの女の子だって、この主人公、アデルのように、性に振り舞わされている。しかし、文学も映画も男の作者がほとんどであるので、扱いにくい題材なのである。だから、意外とない。そして、もうひとつ、おおきな問題がある。

 

 それは、妊娠なのである。恋愛にふりまわされて、若くして母になって、転落の道にはいるとかの話に、なっちゃうのである。レミゼラブルのフォンテーヌの話になってしまうのだ。

 もちろん、男の子もそういう話がある。で、「卒業」では、子どもが産めない、恋人の母親と恋愛するという話になっている。性愛をとおしての成長をうまく描こうと思うと、子どもができるという話は、さけないといけない。主人公が別の苦労をしてしまうからだ。恋愛から、「卒業」できないのである。これは邦題であるけど、よくできた題名だと思う。それにこの映画はよく似ている。

 

 だから、レズビアンの映画なのである。決して、性愛に溺れても、子どもができない、女性であるエマがアデルの恋人なのである。その純度で、恋愛の楽しさ、辛さが身にしみてくる話が展開される。

 

 若いときしかできない、捨て身の、体を張った恋愛だ。世間の価値観と、かけ離れた性愛のありかたや、この中でほのめかされる、出身階級が違うが故の価値観の違いをも、乗り越えてしまうのである。しかし、大人になり、分別がつくと、それゆえに、傷つき、ずたずたになる。

 このなかでも、子どものことがキーになっているのも面白い。性愛は人間にとって、子孫をはぐくみ、育てるための手段であるからだ。だからこそ、それ抜きの恋愛は、人から避けられるのである。

 

 でも、まあ、この冒険は、みっともなくて、美しいのである。それを映画で描いた勇気はすごいと思う。そして、それが若い人への励ましである。まあ、純粋にエロ映画として見てもいいけど、なかなかにまじめな映画でもあるのだ。

 

映画『アデル、ブルーは熱い色』公式サイト