oohama5656's blog

日々の思いを言葉に出来るといいなあと思っています

山田太一 「時はたちどまらない」

 時はたちどまらない、この言葉は、暖かい。どんなつらいことも、傷がなくなることはなくても、薄れていくこと。そして、世の中は、人は、変わっていくこと。よいことばかりではない。それでも、変化を受け入れようと決心すること。

 

 山田太一のドラマは、感情の細かいところにしみてくる。こんなことあるかもしれない。そう、思わせてくれる。神木隆之介演じる、高校生が、とっぴもないことをしでかすのであるが、あり得る。

 

 私たちも間接的に震災を体験した。そのとき、人が、思いもかけないことをしでかしたので、納得できた。話の流れを見ていると、特別なことではないと、説得されるところが、台詞に描かれている。そこが山田太一だと思う。

 

 ドラマに描かれている、震災で起こったことは、大事件でもなんでもないが、生身の人間を、めちゃめちゃにする可能性のある、些細なことだ。それに、どう、立ち向かっていくかが、物語のおもしろさだ。

 

 あのとき、私の町では、電車が一週間止まり、ガソリンスタンドで、怒鳴り合いのけんかが、起こった。大きな災害の中では、たいしたことではない。しかし、地域で、駅に行ったことがない人が、たくさんいる町では、起こりうることだった。通勤は普段、車で行われる地域だ。でも、車を滅多に使わない人、乗れない人には、それに対応できなかった人も、たくさんいた。それが、諍いの理由のひとつだった。

 

 その体験から、このドラマを見ると、しみてくる。人がすることは、どこかで、準備できているのだ。そして、何かのきっかけで、動いていく。あの横断歩道をわたらなければ、私の運命はどうなった、なんて、感じることはよくある。

 同じように、震災がなければということが、人生にも起こる。それは残念ながら、どんなひどいきっかけでも、小さなきっかけでも、重さは同じだ。でも、それが、人がわかり合える可能性あるということだ。そのことを示した、ドラマだった。

  そのドラマに答えて、役者さんの一人一人がつぶだった演技だった。主演の

 中井貴一、よいなあ。ふぞろいの林檎のころから、がんばり続けたんだと、うれしかった。

時は立ちどまらない|テレビ朝日 ドラマ、終わったけど、興味のある方はどうぞです。

 私は「早春スケッチブック」、マイナーだけど、千葉真一がコンビニの店員やったドラマが好きです。代表作は、「岸辺のアルバム」だと思いますけど、八千草薫のお母さん、怖いです。