はてなのカイユボット展のブログキャンペーンに当選して、チケットをいただいたので、展覧会に行ってきました。 彼の絵は、何枚か、見ているはずなのですが、あまり、覚えていません。漠然と、印象派の画家の一人かなあといった、認識でした。
今回、絵を見せて頂いて、なるほど、独自の世界を持った画家なんだなと感じました。印象派のひとりであるけれど、アメリカのホッパーとかの都市生活を描いた絵に通ずる、都市を描いた画家のさきがけのひとりのように感じられました。その回顧展を、新しい東京駅前の、最新の近代建築のなかで、その近代都市生活のはじまりを見るのは、わくわくしました。
展覧会から、感じられるのは、画家が市民生活をどう感じていてかたか、興味深いです。
その、趣味的生活の自由できままな楽しさとともに、さびしさのような気がします。
静かな青みがかった、冷静な色彩がそう思わせるのだと思います。大きな画面で、対象を愛情深く、じっと見つめているのですが、そこには、対象に立ち入りすぎないやさしさがあります。
町では色々なことが起こります。悲劇も、喜劇も。そこに立ち入りすぎない、それが、都市生活の作法のように思います。そのなかで、絵にある、ペンキ塗りの人も、床磨きの人も、身体の弱い画家の弟も、そして、息子を亡くして失意にくれる母もいます。それが、そっと、都市の自由さと、共存している。それが、都市であり、市民生活なのだと、語りかけてくれているような気がします。
なんとなくですが、画家の視線が人間のいとなみとしての社会に目が向いているような気がします。そんなところが、とても、新鮮でした。
面白い画家に出会ってきました。展覧会、今月29日まで、開かれています。お時間があれば、どうぞ。興味深いです。
プティ・ジュヌヴィリエのカイユボット - ブリヂストン美術館 カイユボット展ブログ
東京駅界隈の風景です。