京都に行くと、必ず行くのは、下鴨神社だ。お墓に入っている、主人の祖母がその界隈に住んでいて、初詣は下鴨神社と決まっていたからだ。出町柳は鴨川と高野川の合流地点で、Yの字になった場所の地名だ。その奥にあるのが下鴨神社だ。
Yの字の付け根から、神社までの森を糺の森という。その森ときよらかな小川の流れこそが、ご神体のようなものだ。
糺の森に入ると、入り口の河合神社に参った。そこには、かつて、この森に住んでいた鴨長明の小屋が再現されている。 平安ごろぐらいは、ここからが人と自然の境目が始まっていたらしい。
この神社は八咫烏と関係あるらしく、最近はサッカー関係者が参っているみたいだ。少し、にぎやかになっていた。 その森をさくさくと歩いて、水元の下鴨の社に行く。森林の英気を吸い、ちょっと、リフレッシュ。又、来れたなあと、うれしかった。
帰りは出町柳のバス停へ。バス停近くの北村美術館で、 与謝蕪村の絵の展示があるのに気づいた。しばし、美術鑑賞。私の出身の大阪の淀川沿いが彼の故郷だ。
菜の花や 月は東に 日は西に
淀川沿いの春の夕方を描いた俳句だ。温かくて好きだ。
蕪村の絵軸がきよらかに展示されていた。からすと鷹。美術館の庭のたわわに実った小さな実の、古風な柿の木が興味ぶかかった。
バスで市内にもどる。
与謝蕪村は京都で亡くなったらしい。 この日は与謝蕪村のおおらかだけど、ちょっと物悲しい俳句にぴったりな秋空な日だった。