oohama5656's blog

日々の思いを言葉に出来るといいなあと、書いています。

骸骨ビルの庭 宮本輝

秋の夜長は読書とブログ

 骸骨ビルは大阪の十三にある。その場所は淀川沿いのかつてのラブホテル街がモデルだ。そこはかつて、十三の渡しというものがあったらしい。阪急電車で夕方、河を渡る時、いつも物悲しい気分にさせられ、目を背けたくなるけど、見てしまう場所が舞台だ。

 

 だいたい、十三っていう地名自体が意味がいまだにわからない。このあたりはかつて栄えた大阪の場末で船場でおちぶれたら、天六、そしてこのあたり、そして、最後は尼崎に行く。そういった土地柄なのだとかつて亡くなった父が言っていた。その十三の隣町が私のふるさとだ。都市のふきだまりであり、次の場所に移動するうずくまって休む場所なのだ。

 

 架空の話ではあるが、そういった場所に戦後、孤児達をかくまって、育て上げる、戦争がえりの男の話、大阪出身の宮本輝だけに書ける真実だ。河の町大阪の戦後。なつかしくて、も物悲しい。そして、生き抜くことの意味を問うた小説だ。

 

骸骨ビルの庭(上) (講談社文庫)小栗康平監督作品集 DVD-BOX

寡作の映画監督 小栗康平の『泥の河』も宮本輝が原作だ。大阪と河。