oohama5656's blog

日々の思いを言葉に出来るといいなあと思っています

登っていくこと落ちること「犬王」

湯浅政明の新作アニメ「犬王」を待っていた。主演が女王蜂のアヴちゃんでバディ役が森山未来、そして、音楽は前衛な大友良英、これは見たい。 湯浅政明のアニメは流れるような動きに特徴があり、水の動きなんかにスケールがある。最初期の東映アニメを思い出…

現実は善悪だけではさばけない「流浪の月」

モルモット吉田さんの評論を読んだので感想を書いてみようと思った。 otocoto.jp 広瀬すずと松坂桃李の演技がいいっていうことで見に行った。松坂桃李、演技力あるなって改めて感心したのだけど、役があってるなって思った。宮藤勘九郎が「ゆとりですが何か…

大庭さんの館はわからない。

國村準の名演技にほだされたので、大庭景親の館があった藤沢市にある大庭城に行ってみました。JR藤沢駅からバスで行くところなのですが、場所的には辻堂駅の丘陵地です。 大庭景親は保元物語で鎮西為朝と闘った若武者として活躍を記されているようです。歴戦…

石橋山の合戦で亡くなった佐奈田与一の領地跡

源平合戦の初戦の石橋山の合戦の敗戦で, 頼朝は絶体絶命だったようです。「鎌倉殿の13人」では義時の兄、宗時の戦死が主に描かれると思いますが、岡崎義実の息子である佐奈田与一も戦死して、多くの犠牲者が出たのです。 その領地である平塚市真田に行って見…

鎌倉殿の13人  岡崎義実の館あと行ってみました

「鎌倉殿の13人」を見た後、色々と本を読んだり、調べたりしていると、出てくる人が相模川周辺の人が多い。 それで先日の第4回のわき役のおじいさん岡崎義実の銅像が伊勢原市内にあるのに驚いた。頼朝役の大泉洋にギュッとされてた人ですね。そんなものある…

争いは家族から起こる「史伝 北条義時~武家政権を確立した権力者の実像~」

史伝 北条義時 ~武家政権を確立した権力者の実像~ 作者:山本みなみ 小学館 Amazon 北条義時という人はえらく歴史的に嫌われたらしい。 それは、彼が北条家に権力を集中するために頼朝の死後に源氏の係累や有力な御家人たちを一族もろとも粛清した人であっ…

「GENKYO 横尾忠則」東京都現代美術館の展覧会に行きました

東京都現代美術館の「GYEKYO 横尾忠則」行ってきました。 横尾さん自身がtwitterで最後の大きな展覧会になるだろうとおっしゃっていた展覧会なので、どうしても行きたかったです。 横尾忠則さんは日々、息をするように作品を作られている方です。だから、ま…

西川美和「すばらしき世界」原作を読んで

「復讐するのは我にあり」が残った佐木隆三の絶版された原作「身分帳」を映画化した。読んでみると映画に描かれない部分がしみた。

映画「MINAMATA」をめぐる雑感

水俣病について知ったのは大阪市の学校に通ってた頃に読んだ人権の副読本にあった「苦界浄土」の抜粋だった。さっぱりわからない熊本の水俣の方言を使って、何だかわからない恐ろしいことが描かれていた。独特のリズムがあったので、頭に残ったのだろうと思…

ベルセリク展に行ってきました

www.dai-berserk-ten.com 行ってきました。 やはり、圧倒されました。 漫画の原画は物語の過程なので、展覧会で原稿を見てもピンとこないことが多いですが、三浦健太郎の「ベルセリク」は違う。ひとつの場面にたくさんの情報が描かれています。一枚絵の連続…

思春期をどう描くか。(下)古典のなかの無意識

私はフランコ・ゼフィレッリの「ロミオとジュリエット」が好きだった。 あの戯曲は、精神的にはロミオより大人なジュリエットが彼を死の破滅の道連れにする話なんである。

思春期をどう描くか。(上)ジェンダーのあわい

若者が変化する話がなぜ心をうつのか。そして、それがなぜ希望を見出すのか。そんな気持ちを現わしてみました。

ドライブ・マイ・カー 未来にたくす

「ドライブ・マイ・カー」見てきました。3時間あるとビビったのですが、余分な情報がないので映画館だと見れます。うん、シンプルなテーマの映画を盛りだくさんに描いているので楽しかったです。 村上春樹の短編集「女のいない男たち」のいくつかをもとにし…

「我は、おばさん」を読む。

我は、おばさん (集英社文芸単行本) 作者:岡田育 集英社 Amazon 私より年下の作者の本を読むのは心苦しい。作者より下の世代の人を励ますための本がだからだ。それでも読んでみたいと思ったのは、面白そうって思ったのは、岡田育のSNSが面白いからだった。 …

やっぱり「ジョジョの奇妙な冒険」はいい 下

もう一つ見た「黄金の風」編はひたすら美青年たちを見せるマンガだと思う。一応、マンガの三部までの悪役ディオのイタリア育ちの息子であるというジョルノ・ジョバーナが主人公ということになっているけど、独立した作品だ。ひたすら、ミケランジェロをはじ…

やっぱり「ジョジョの奇妙な冒険」はいい 上

www.youtube.com この連休、思った以上にポップで楽しいなって思って、荒木飛呂彦の原作、ジョジョの奇妙な冒険のアニメを見始めた。ダイアモンドは砕けないと黄金の風編。 思い出してみると、ジョジョシリーズを初めて見たのは息子たちが買っていたジャンプ…

おちょやん 昔は良かっただけではない話

朝の連続ドラマ、「おちょやん」終わりました。最初はなんかなって思いながら、昔の大阪、道頓堀を思いながら完走しました。 そうそう、私の子供のころは道頓堀はかつて中座、角座がある芝居町でした。歌舞伎が時々興行され、上品な和服の女性がそぞろ歩きし…

「あのこは貴族」自分の居場所という幻想

映画「あのこは貴族」見てきた。山内マリコの原作、気になっていたのだけど、よその話だなって読んでなかった。それが、映画で鮮明に今の世の話なんだって見えてきた。 原作者も気に入っていってたけど、車が大切なモチーフとして使われている。これは彼女の…

シン・エヴァンゲリオンを見てしまった

コロナで映画館に行く習慣ができたのもあったけど、たぶん、庵野秀明の一つの終わりだと感じたので映画館で見てしまった。そして、結末がほぼ予想どおりであったにも関わらず、不覚にも平日の映画館で号泣してしまったのだった。文明を美しいと感じてしまっ…

先日、購入した本

ずっと、読んでた、よしながふみさんの「大奥」が完結したので本屋さんへ。 16年か、お疲れ様です。大好きな時代物で恋愛もの、ホラーとしても楽しかったです。 最近の家茂と和宮のブロマンスなユリ設定も面白かったですけど、綱吉、家斉の性依存の話、眼か…

過去と今

その女、ジルバ(1) (ビッグコミックス) 作者:有間しのぶ 発売日: 2014/11/03 メディア: Kindle版 テレビドラマ「その女ジルバ」を見て、原作を読んでみる。読んでみると、絵に情報が多くて、こりゃ、マンガとしか成立しない構成じゃわいと、ここんとこ、…

格差をどう感じるか

家族と社会が壊れるとき (NHK出版新書) 作者:是枝 裕和,ケン・ローチ 発売日: 2020/12/10 メディア: Kindle版 NHKで対談していてケン・ローチと是枝裕和の対談が引っ掛かっていたので、それを書き起こして過筆を加えて新書にした「家族と社会が壊れるとき…

今を生きていく

このご時世、映画館が安全なのはありがたい。それでも、田舎に住んでいると大きな町に行く手間、上演時間を合わせることを考えると、ご縁のある映画は少ない。一週間すぎると夜の興行だけだったりする。しかも、映画祭の関係なんかで、これっという映画は重…

マンガ読みの日々

ネットのマンガサイトに登録している。ときどき、むしょうに無料作品を立ち読みしていて、はまることがある。便利になりましたね。老眼で目が弱っているので、大きなパソコン画面で読める。収納場所も困らない。それでも、全巻読み続けることは少ない。割引…

心のふれあいに年齢はない

コロナ下の美容院で美容師さんに髪の手入れをしてもらってた。美容師さんは、このご時世に髪の手入れと通勤をする恐怖を語り、それをうんうんと聞く。そのとき、手元にあった女性セブンにあったのが、佐藤愛子さんのエッセイ。不定期なのか。戦争中に上半身…

つらぬく男「プリニウス」第9巻

私の中ではポンペイで逃げ遅れた奇特な学者ぐらいの印象の人、プリニウスの博物を巡る旅も第9巻。こんなにも色々なことを研究し、旅した人なのかを初めて知った。そして、時の独裁者ネロと対等に渡り合う様子が描かれて、本物の知性とはいかなるものかを考…

ゴッホ展に行ってきました。

上野の森美術館の「ゴッホ展」に行ってきました。終わってしまったのですが、この後、兵庫県立美術館で公開されるようなので感想を書いてみます。ゴッホ、やっぱり、すげえってのが感想ですが、それでは終わってしまう。続けます。 今回、オランダ、ハーグを…

「欄外の人物」ってなんぞや 文学界1月号 又吉直樹X宇多田ヒカルを読んで

文學界 1月号 作者: 出版社/メーカー: 文藝春秋 発売日: 2019/12/07 メディア: 雑誌 宇多田ヒカルさんと又吉直樹さんの対談でうっかり、ひと様にリプライしてしまった私の対談での感想。読んでみると二人はとても真っ当な文学への思いを語り合っています。小…

子どもは強い。そしてやはり希望なのだ。「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」

友達が連載されてたエッセイ読んでて感心してたし、田舎のご近所の本屋さんでも並んでいるのでヒットしてるなって気になっていた本。一気に読めた。これは最近の私にも意外と珍しくて、今まさに起こっていることの内容だということと、文章が優れているとい…

その人の最善の道って考える「私はカレン、日本に恋したフランス人」

じゃんぽーる西さんのエッセイ漫画は何となく読んでいた。フランス体験記、そして国際結婚、いっぱい書かれているけど、面白いネタだからかな。でも、読み続けられたのは奥さんになったカレンさんが面白いのからかな。それで彼女のエッセイを読んでみた。い…