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oohaman5656's blog

日々の思いを言葉に出来るといいなあと、書いています。

村上春樹「騎士団長殺し」読みました

いつもは文庫になってから、読んだりしてたんですが、今回ははやばやと第一部をよんで、急いで第二部を手にいれて読みました。エンターテイメント小説として抜群に面白い。まあ、村上春樹エッセイいわく、まんまとaddictionにかけられたのかもしれませぬ。ち…

雨宮まみ「東京を生きる」ことばにできないこと

雨宮まみの「東京を生きる」を読んだ。なんとなく呼ばれて、デビュー作の「女子をこじらせて」もよんだが、そちらはいろんな要素を詰め込んで読みずらかった。その混沌をそのままさし出したのが、こちらの本だ。たった5年ぐらいかな。こんなに簡潔な文章に進…

生身の人間がいる。映画「沈黙」

昨日、映画「沈黙」を見てきた。若いとき、感銘をうけた小説だ。何年か前、修道士を志したマーティン・スコセッシが映画化すると聞き、面白いなあと思ってずっと待っていた。ちなみにスコセッシの映画は「タクシードライバー」と「ギャング・オブ・ニューヨ…

いっしょ過ごした「少年の名はジルベール」

私が中学時代、大好きだった萩尾望都先生が竹宮惠子先生いっしょに共同生活をしていたのを知ったのは、ずっと後になってからだ。一年ぐらい前から 、漫画家をめざして上京し、「風と木の詩」を書かれたいきさつを書いたこの本を読めずにいた。そして、そのこ…

忘れたことの忘れられないこと 波津彬子「玉藻前」

波津彬子、漫画文庫で「玉藻前」か、ふむふむ面白そう、なんかすごく読みたい、なぜだろう。そこで、はたっと思い浮かんだんですね。それは子供のとき、何度もテレビでみたアニメで、 ヒロインが「玉藻前」というのがあったのですね。悪に染まったヒロインが…

善意こそがひとをそこなう「みんな彗星をみていた」

遠藤周作の「沈黙」は私の好きな小説のひとつだけれど、いまいち背景がわからなかった。そういった悶々に答えてくれたのが、星野博美さんのノンフィクション「みんな彗星を見ていた」だ。このなかで星野さんがカトリックの世界への宣教は最古のグローバル企…

静かなでゆたかなほの暗さ 能町みね子

私にとって、能町みね子はタモリ周辺にいるちょっと不思議な人ぐらいの感じだった。オールナイトニッポンでラジオをやっているのは知っていたけど、夜更かしは苦手なので聞いたことがなかった。いいなっと思ったのはWEBのかたすみにあった「お家賃なんですけ…

もやっとした気持ち「アヘン王国潜入記」

久しぶりに遠出して、ここらで唯一チェーン展開していない本屋さんに寄った。だんだんとスペースが先細っていき、本の内容が多彩でなくなっていくのが寂しい。そんななか、高野秀行の「アヘン王国潜入記」が紹介されていた。 こういうくせのある本の紹介、す…

子供が持てる、ミッフィちゃんの絵本

今週のお題「プレゼントしたい本」 1才からのうさこちゃんの絵本セット 1 (全4冊) 作者: デック・ブルーナ,いしいももこ 出版社/メーカー: 福音館書店 発売日: 2010/04/01 メディア: 単行本 クリック: 1回 この商品を含むブログを見る 実際に最近、親戚の赤…

父たちと宮沢賢治と「春と修羅」

ここのところ、毎年、盛岡を旅している。去年、行きたかった花巻に行ってきた。父に買ってもらった本のなかに宮沢賢治の「風の又三郎」があったからだ。父が選んだと思い込んでいたが、私がねだったんだと、改めて思い出した。5年のときの担任は、今でいう…

「鬼才 五社英雄の生涯」大衆的って何だろう。

私は五社英雄のファンでないので、いくつかしか見てないけど、そのなかで、「陽暉楼 」が一番好きだと思う。普段テレビであいまいな演技をしていた女優さんたちから、演技を絞りだした華麗な映画だ。特に浅野温子をテレビだけで知ってる人は、びっくりすると…

「その島のひとたちは、ひとの話をきかない」工夫というささやかな試み

前から気になっていた本です。精神科の医師が、自殺が少ない地域をたびして、その体験した風土をルポをまとめた本です。特別ないろんなケアとかあるところなんだろうか。結論から言うと、ひとを追い詰めないけど、ごくふつうの悪口も陰口もある町だそうです。…

なんで、あんなに小説を読んでいたんだろう

二十代は山本周五郎からはじまり、司馬遼太郎とか、池波正太郎とかをほぼ全巻よんでいた。星新一とかのSF、そしてアガサ・クリスティなんかもを読んでいた。みんな文庫であるし、図書館で借りやすかったのもある。司馬遼太郎はある世代には日本の知性みたい…

いまさら小林秀雄をよんでみた

吉本隆明の「西行論」をよんでいると、小林秀雄の「無常ということ」で西行について書かれたことで、本を書いていることがわかった。なかで紹介されている地獄絵をみてという連作で仏教者としての西行を知ったことがきっかけだそうだ。歌詠みとして知られ、…

結婚式のメンバー 中学生になったらばかになった

私が一番賢かったのは小学校6年生ぐらいだったと思う。中学になると自分が思い通りにならずに困った。それから私はずっとばかである。このばかの原因のひとつが性衝動だったのに気づいたのは、ごく最近である。そんな性衝動に振舞わされて生きて行く自分を自…

向田邦子で思い出したこと

向田邦子で思い出したので書いてみようと思う。私のなかでテレビが始まったころの三大シナリオライターは山田太一と向田邦子と倉本聰であります。 向田邦子はHNKでやった、「阿修羅のごとく」が好きだった。主題歌のトルコの曲よかったですね。同じ枠の「あ…

最近読んだ本6 読みたいものはたくさんある

このところ小説を読んでる。ジョディ・デンチ主演のドラマ「クランフォード」で気になっていたギャスケル夫人の短編集。オースティンのすぐあとのひとだけど、貧しいひとと接していた牧師さんの奥さんなので、ひとを救えない絶望感からか、宗教観が堅苦しい…

古典は奥深い「男色大鑑」

最近、古典を漫画化したものを読みふけっていて、どれも面白くてびっくりしました。古典を読み込んでるし、現代風にきちんとアレンジされているし。こんなものまで漫画になっているのかと驚いたのが、井原西鶴の「男色大鑑」。私は大学時代、西鶴の「好色五…

吉本隆明 「西行論」宗教人として 歌人として

西行についてもっと考えたいと思って読んでみた。吉本隆明がとらわれがちな西行の人生の伝説をしりぞけ、うたをしっかりよむこむことで、西行の宗教人として、歌人としての意味を語った本。いや、難しいけど勉強になりました。専門の学者さんでもここまで勉…

父親の意味 待賢門院璋子の生涯

白洲正子の「西行」を読んで、保元、平治の乱の遠い原因は、早くに藤原氏出身の母を亡くし、摂関家に恨みを持つ父親にうとまれた、白河院の孤独と富と権力の集中にあったのだなと思った

 西行ってなんだろう。白洲正子「西行」を読んで

私が中世の歌人である西行について、読んだのは、テレビの大河ドラマ「平清盛」からというミーハーな動機だった。あらすじを読んで、たまたま見つけた白洲正子の「西行」を読んでみたのである。まず、十代から気になっていた明恵上人に西行が語ったとされる…

情景が浮かぶように トーマス・ハーディ「呪われた腕」

久しぶりのジェーン・オースティンの新訳で小説っていいなあと思っていて、彼女のあとのイギリス文学読んでみたいと思っていたら、新潮文庫から村上柴田翻訳堂から、彼女の次の世代の作家ハーディの短編集が新たに出ているではないですか。昔、ロマン・ポラ…

姫の輝くような頰のうへに 近藤ようこ「死者の書」下巻

近藤ようこの「死者の書」完結しました。ほぼ、折口信夫の原作にそって映像化され、読み応えありました。叙事詩のような原作の雰囲気をきちんと再現していると思います。私は後半の蓮の糸で曼荼羅をつくるにいたるのが、どうにもわからなかったのですが、読…

マンスフィールド・パーク 本質的なモラルって考えてみる

オースティンの小説で、そういえばこれは読み忘れていたと思って、読んでみた。結構、時間がかかったのは、心にいちいち刺さったからだ。そして、人生を経験してこそ、この小説は面白い。主人公は大きなお屋敷マンスフィールドパークに養女にもらわれた子沢…

中野翠「この素晴らしき世界!?」

図書館に行ったとき、サンデー毎日で連載されている一年間のエッセイをまとめたこの最新刊があった。今もコツコツと読んでいる読者がいるのだなという思いで読んだ。中野さんを知ったのは、父が、弟が通う進学校の大学進学の数を確かめるため、サンデー毎日…

たべものを記録を再現する たべものについて考える本5

芸術新潮で一年間連載されていた、江戸幕末の文献にあった料理を再現した本だ。江戸料理を再現されている「なべ家」の主人福田浩さんと食文化研究家の松下幸子と京都の名料理やの娘だった作家の松井今朝子さんの共著で、すてきなお料理の写真とうんちくが楽…

作家とたべもの 食べること考える本4

自伝「生きていく私」を発表したとき、かわいいおばあちゃんと評判になった宇野千代のお料理本だ。作家としてはいまいちだけれども、女としては一つの時代をいきぬいた人だと思う。この本の料理は、もう古いなあと思うのが多かったけど、その工夫が今につな…

どこで何を食べてるか 食べることを考える本3

普段付き合いのない人と、ちょっと突っ込んだ話をしたいとき、食べることをネタにすると話しやすい。食べ物の好き嫌いから、好きな店はどこにあるか、いろんな切り口がある。そして、その人と自分の違いがわかることがその人を理解するきっかけになる。社会…

本のなかの料理を作ってみる 食べることを考える本2

本のなかで、食べることがうまく描かれていると猛烈に食べたくなる。外国の児童書は未知のたべものがいっぱいのっていたので、好奇心を掻き立てられた。そんなころ、児童書の料理本がぞくぞくと発行された。その最初ころの本はこれかな。 プーさんのお料理読…

孤独のグルメ 食べもの本 1

「孤独のグルメ」のドラマをみて、原作を読んだ人も多いとおもう。わたしもそうだ。でも、はじめて久住昌之、谷口ジローの本で読んだのは「散歩もの」だった。「散歩もの」は雑誌「通販生活」に載っていて、好きだったまんがだ。確か、雑誌は空気に良いとい…

「人間の絆」産業革命はイギリスで起こった

ドラマ「私を離さないで」終わりましたね。見ているとサマセット・モームの自伝的小説「人間の絆」をしきりに思い出した。知識階級出身だが、親に死に別れた主人公は牧師をめざし寄宿学校に入り、醜い容姿に引け目を感じならがらすごす。牧師、芸術家になる…

ショッピングモールとは

中沢新一の東京の土地の歴史をかたった「アースダイバー」を読んだとき、下町の路地の植栽の意味が書かれていて、幼い日、やなことがあったとき、路地の花やみどりになぐさめられたことを思い出した。そうか、あれは自然が貴重な都会で、公共にみどりを歩く…

ひとはそう変わらない 宮本常一「忘れられた日本人」

映画を観に行ったとき、神田で、ふと買った一冊だ。あまりにも有名な本なので、どうかなあと思ったけど、やっぱり感じたことを書きたくなった。書かれているなかで、面白かったのは、男が夜、女の子を訪れる「よばい」の習俗だ。 どきっとするが、村の女の子…

「ピロスマニ」絵を描くということ

以前見損ねてた、グルジア映画「ピロスマニ」を見に行きました。グルジアの画家、ピロスマニを題材にした映画です。どうやら「FUJITA」をとった小栗康平が参考したからか、リバイバル上映です。グルジアって全然想像がつかないです。ごめんなさい。 スターリ…

折口信夫「死者の書」「山越しの阿弥陀像の書因」を読む。

折口信夫の本はいつか読みたいと思っていました。いろんな本を読んでると、日本文化を知るには読むべき著者として、ぜひにという紹介が多かったからです。このところ、随分落ち込んでました。その時、手に取ったのが「五色の船」を読んで、気になっていた漫…

萩尾望都「王妃マルゴ」

久しぶりに萩尾望都を読んでます。「ポーの一族」の頃、読んでたんですけど、 時代の変化もあるけど、男女の性愛のせかいまで踏み込んでいて、BLの元祖的なひとがここまできたかと感嘆しています。エッチなシーンの主人公の背中とお尻が色っぽいです。絵で多…

村上春樹「職業としての作家」

新作は文庫化してから読むことが多いのですが、久しぶりに単行本で読みました。 はてなさんでやっていた「村上さんのところ」のまとめ本も気になったんですけど、それを含めた村上春樹の最近の心境を知りたくて、こちらを読みました。同じ時代の空気を吸って…

映画「白河夜船」

映画「白河夜船」を見てきた。吉本ばななの小説は、文学でしか描けない描写に満ちているので、映像化は難しいけれど、よくできていた。井浦新、谷村美月もよかったけれど、安藤サクラは、改めてすごい女優だなあと思った。 私が吉本ばななの小説を読み始めた…

不器用な小説

推理小説の古典で他に好きなのは、A・A・ミルンの「赤い館の秘密」だ。トリックとか大したことはないけれど、のんびりしてユーモアのある語り口が好きだ。それもそのはず、「クマのプーさん」の作者の小説だ。あとがきで、プーさんで有名になったあと、童話…

赤毛の美女とホームズ

シャーロックの長編では、「パスカビル家の犬」が好きだ。イギリスの湖水地方の不気味で美しい風景の描写と魔犬の伝説、そして、そっけなくて、理性的なホームズの推理、たまりませぬ。 同じ、湖水地方を舞台にした「赤毛のレッドメイン家」は、サイコパスの…

森鴎外はエロに通ず

森博嗣は森鴎外の文章が好きで、夏目漱石は苦手だそうだ。武士の漢文の教育を土台にした森鴎外の文章はむずかしい。今、夏目漱石の後期の「それから」とか読むと、今の文章かと思う。今の文学は、彼の子孫なんだと思う。けれども、森鴎外といった漢文の伝統…

夏のころもがえ

今週のお題「夏支度」 萩尾望都の初期の漫画に「小夜の縫うゆかた」という短編がある。14歳の少女が初めてゆかたを縫い上げるのを幻想的に描いた作品だ。初夏の夏葉がのびるようなさわやかさ、少女がおとなになっていく喜びが歌い上げられ、いたく、心に残…

もう少し、甘いものについて考えてみる

前のブログに出てきた、浅草の福太楼は京都のおいしいあんこを中心に紹介した、「あんこの本」で知りました。この本は最初に著者、姜尚美さんの「わたしはあんこがきらいだった」というまえがきではじまります。その彼女が、自分が食べれるあんこのおいしい…

台風のあと

台風のあと、本当に暑くなってたまらない。と、書いて、去年も一昨年もこんな日があったのだと思った。人間は忘れるから、常に新鮮にいられるのだ。そんなふらふらの午後、杉浦日向子原作で、クレヨンしんちゃんシリーズでお世話になった原恵一監督の新作「…

近代恋愛小説の基本形 説きふせられて ジェーン オースティン

ひと昔前の女子大の英文科といえば、ジェーン・オースティンを教えているところが結構あったんじゃないかと思う。しかめっつらしいおじさんやおばさまに教えられるのもあって、堅苦しい古典文学と思っている人が多かったのではないだろうか。まあ、イギリス…

山本周五郎は、過去の現実に興味があった 日本婦道記

また、かびくさいことを書きます。なんで古い作家さんを読んだ感想を書きつづっているかというと、自分の気づきのきっかけになったことを自分に記録しておきたいこと、そして、書いていて、私は前の世代の生きていた当時の感情にすごく興味があるのことに気…

光ある世界 宮本輝 「幻の光」

是枝 裕和の映画監督デビュー作が宮本輝の「幻の光」である事に、興味を持ったので読んでみた。1979年には発表されている、初期の短編だ。そのころ大学のテニス部を舞台にした「青が散る」がドラマになり、同世代の人も宮本輝を結構読んでいた気がする。…

最近、読んでいた本 データって、大切。 「ルポ 産ませない社会」

自分の子育てのどうしても振り返ってしまうので、棚卸し的な気分になって、購入してから、読むまで時間が、かかった本です。取りかかってみたら、読みやすかったです。どうにも、恐がりなのは、困ったもんです。子どもを産むのがなぜめんどくさいか、育てる…

フランス革命を生き延びた男 ツバイク 「 ジェゼフ・フーシェ 」

映画「グランドブダペストホテル」が、ウィーンで生まれ育ったツバイクの人生を モデルにしたと知って、彼の小説を読んでみた。以前から、池田理代子さんが、ツバイクの「マリーアントワネット」を「ベルサイユのばら」の参考にされていたので、読んでみたい…

水の匂い 宮本輝

庄野潤三を書いていて、対照的に浮かんだのは宮本輝だ。同じように、川の近くで育ったからだと思う。庄野は、戦前の船場のボンボンたちの文化のなかでそだったけれど、宮本輝は、戦後の焼け跡の荒廃がのこっていた川そばで生まれた。実際は淀川沿いだったら…