oohama5656's blog

日々の思いを言葉に出来るといいなあと、書いています。

映画

「自虐の詩」幸せとか不幸せとか

この前、映画になった「自虐の詩」を久しぶりに見て、原作を改めて読み直してみた。ヒロインの中谷美紀のベストの演技もあり、堤幸彦の映画としても、良い方なんだと思う。なによりも、東日本大震災直後に見たとき、ヒロインの故郷の風景として、津波が舐め…

「カラフル」原恵一の世界を読み解く

東京国際映画祭で「クレヨンしんちゃん」の監督のひとり、原恵一の特集があった。彼の「しんちゃん」を離れての映画をなんとなく見続けていた。名監督、木下恵介の戦中を描いた実写である「はじまりのうた」。ちょうど、戦前の傑作「陸軍」みた直後で、加瀬…

「アウトレイジ」無常といういこと

ヤクザ映画なんだけど、「アウトレイジ」シリーズ、三作見てしまった。加瀬亮のインテリヤクザとか、三浦友和さんの親分とか。二作目では、新劇出の渋い脇役の塩見三省さんの悪役とか、北野武監督は、見てみたいなと思える演技を引き出してくる。 今回の映画…

町の生活がしみじみと「パターソン」

かつて、アメリカの作家性の高い監督、ジム・ジャームッシュの映画に、永瀬正敏が対等な感じで出演したときは、嬉しかったです。で、改めて、彼が出演するということで、心惹かれて見に行ってきました。 ニューヨークの近隣、東京からいうと埼玉的な場所に、…

ゆがんでいてもいい「エル ELLE」

オランダの映画監督、ポール・ヴァーフォーヴェンの新作「エル ELLE 」見てきました。代表作、ロボコップ、下品な感じがやさぐれて、かっこよかったですね。この新作は、フランスの女優、イザベル・ユペールを主役にした映画です。彼、もう、80才になるのか…

映画「野火」体験とは何か

3年ごしで、塚本晋也、監督、主演の、第二次世界大戦のフィリピン、レイテ島をえがいた映画「野火」を見てきました。残酷描写が怖くって、見に行けなかったのですが、いいという評判は気になってました。 その間、塚本晋也は、はげましたが、ぐっといい男に…

映画を評論するって、なんだろう。真面目に考えてみた「映画評論・入門」

このブログで、たまに映画の感想を書いてるが、面白かったとか、ここはも一つとかってことでしかない。でも、自分が生きていた道行で、体験したことを反射させて書いてるので、なにかひとつは自分なりの見方が書けていればいいなあと思っています。なので、…

映画「ライオン」子供ってなんだろうな。

迷子になったインド人のおさない子供がオーストラリア人の養子になってというお話です。 「子供って?」って問いかけの答えが明確な、わかりやすい映画です。 主人公は母子家庭の子なんですが、いいお兄ちゃんもいるしで、幸せでした。しかし、貧しくてつら…

映画に知識は必要か

映画「浮雲」のブログを書いていたとき、森雅之の父の有島武郎について書こうか迷ってしまった。略歴の確認でネットを見て、不意に思い出したからだ。私は、ずっと、かつて読んだ、有島武郎の童話「一房の葡萄」がひっかかっていた。すごくロマンチックだけ…

映画「牯嶺街(クーリンチェ)少年殺人 事件」ざわざわする思い

『牯嶺街クーリンチェ少年殺人事件』予告 めったにないことですけど、台湾の映画、エドワード・ヤン監督の「ヤンヤン 夏の思い出」のレンタル料を滞納してしまって一万円になったということがありました。内容はぼんやりしていて、イッセー尾形が面白かった…

不幸とか幸せとか 成瀬巳喜男「浮雲」

TOHOシネマズに「午後十時の映画祭」という古い映画を紹介する企画があり、成瀬巳喜男の「浮雲」見てきました。「浮雲」はNHKでDVDで録画していても、どうにも見られなかった映画です。男女のドロドロって苦手なんです。しかし、デジタルリマスターなんだし…

世は移りゆく「買い物とわたし お伊勢丹より愛をこめて」  山内マリコ

先日、沖縄に行ってきました。12月ごろから、沈みきっていて、お正月準備もままならない。で、旅行でもいこうかと、格安チケットで予約してガイドブックを読んでみたもの、全然のらないどうしようかとと思っていた前日、この本を読みました。そのなかで那覇…

ささやかだけど大切なこと

10日ほど前に、私の「映画館に行こう」というお題のブログが紹介されていて、1年前ほど前の隅っこの記事を、よくぞ紹介してくれたなあと感謝しています。映画を見る若い人たちに、ぜひぜひ感じ取ってもらいたいことだったので、うれしいです。 hatenanews.com…

生身の人間がいる。映画「沈黙」

昨日、映画「沈黙」を見てきた。若いとき、感銘をうけた小説だ。何年か前、修道士を志したマーティン・スコセッシが映画化すると聞き、面白いなあと思ってずっと待っていた。ちなみにスコセッシの映画は「タクシードライバー」と「ギャング・オブ・ニューヨ…

いっしょ過ごした「少年の名はジルベール」

私が中学時代、大好きだった萩尾望都先生が竹宮惠子先生いっしょに共同生活をしていたのを知ったのは、ずっと後になってからだ。一年ぐらい前から 、漫画家をめざして上京し、「風と木の詩」を書かれたいきさつを書いたこの本を読めずにいた。そして、そのこ…

忘れたことの忘れられないこと 波津彬子「玉藻前」

波津彬子、漫画文庫で「玉藻前」か、ふむふむ面白そう、なんかすごく読みたい、なぜだろう。そこで、はたっと思い浮かんだんですね。それは子供のとき、何度もテレビでみたアニメで、 ヒロインが「玉藻前」というのがあったのですね。悪に染まったヒロインが…

善意こそがひとをそこなう「みんな彗星をみていた」

遠藤周作の「沈黙」は私の好きな小説のひとつだけれど、いまいち背景がわからなかった。そういった悶々に答えてくれたのが、星野博美さんのノンフィクション「みんな彗星を見ていた」だ。このなかで星野さんがカトリックの世界への宣教は最古のグローバル企…

 映画「この世界の片隅に」ものがたることの意味

こうの史代さんを知ったのは、評判の良かった「夕凪の街 桜の国」を立ち読みしたからだ。本屋さんで涙が止まらなくなって、連れて帰りました。私は滅多に涙が出ないので、びっくりした。原爆のはなしで泣いたのではない。特別なはなしではなく、私にもあった…

映画「永い言い訳」はこたえる

この映画はこたえました。まず、話しは、交通事故からはじまります。じつは、私、夫が仕事に逃げて、子育てが煮詰まったとき、こどもふたりと車に乗っているとき、車線をはみだして、相手の車を大破させさせたことがあることを思い出しました。幸い、用心深…

生者と死者と「君の名は」新海誠

とうとう新海誠の「君の名は」見に行ってしまいました。彼は私とおなじ国文科出身だそうで、古今和歌集の小野小町の「思ひつつ寝ればや人の見えつらむ 夢と知りせば覚めざらましを 」と院政期の「とりかえばや」ヒントにしたと、町山智浩さんの「映画ムダ話…

福山雅治ってどうよ。映画「SCOOP!」を見る

福山雅治のドラマや映画は見たことがなかった。私の見る種類じゃないかったからだ。キラキラした男前を愛でるのは苦手だ、私はやぼなのだ。しかし、日本の芸能界でも、特別なひとだと思う。大河ドラマは見た。幕末のモテ男龍馬に似合っていたから、楽しかっ…

父たちと宮沢賢治と「春と修羅」

ここのところ、毎年、盛岡を旅している。去年、行きたかった花巻に行ってきた。父に買ってもらった本のなかに宮沢賢治の「風の又三郎」があったからだ。父が選んだと思い込んでいたが、私がねだったんだと、改めて思い出した。5年のときの担任は、今でいう…

「鬼才 五社英雄の生涯」大衆的って何だろう。

私は五社英雄のファンでないので、いくつかしか見てないけど、そのなかで、「陽暉楼 」が一番好きだと思う。普段テレビであいまいな演技をしていた女優さんたちから、演技を絞りだした華麗な映画だ。特に浅野温子をテレビだけで知ってる人は、びっくりすると…

映画「牡蠣工場」日常にこそ、力がある。

映画を見ていると、ときどき、なぜ、わざわざそれを選んでみているかとはっと気がつくことがある。冒頭の牡蠣の水揚げの作業から牡蠣むきと港の風景を見ているとなんだかもやっとした。行ったことがある。港の寺をみて思い出した。安国寺恵瓊の寺だ。当時見…

生きてみてどうでしたか「海よりもまだ深く」

あっと思ったのは、最初の団地の場面でラジオが出てくること、このラジオ持ってたんですよね。CDが聞けるし、子育て中、お風呂で聞いてました。ピンクでデザインも好きだったんだよな。なんとなく気になるこのラジオが、あとで大きな役割をはたすのは嬉しか…

最近読んだ本6 読みたいものはたくさんある

このところ小説を読んでる。ジョディ・デンチ主演のドラマ「クランフォード」で気になっていたギャスケル夫人の短編集。オースティンのすぐあとのひとだけど、貧しいひとと接していた牧師さんの奥さんなので、ひとを救えない絶望感からか、宗教観が堅苦しい…

マンガと映画

日本映画が流行らないのは、漫画があるからだとこのごろ思う。漫画の編集の世界を描いたドラマの「重版出来」を見ていると、しきりにネームの話が出てくる。ネームとは、漫画の画面構成とセリフを下書きをしたもので、映画でいうところの絵コンテになるもの…

中野翠「この素晴らしき世界!?」

図書館に行ったとき、サンデー毎日で連載されている一年間のエッセイをまとめたこの最新刊があった。今もコツコツと読んでいる読者がいるのだなという思いで読んだ。中野さんを知ったのは、父が、弟が通う進学校の大学進学の数を確かめるため、サンデー毎日…

ヴィヴィアン・マイヤーをさがして 

Vivian Maier: Street Photographer 作者: Vivian Maier,Geoff Dyer,John Maloof 出版社/メーカー: powerHouse Books 発売日: 2011/11/16 メディア: ハードカバー この商品を含むブログを見る 去年見にいったのですが、、どうにも感想が書きたいのに書けなく…

あらためて「東京物語」を見る

TOHOシネマズでやっている午前十時の映画祭で小津安二郎の「東京物語」をみた。大画面では初めてだ。是枝監督が鎌倉を舞台にした「海街dairy」のインタビューで、小津よりも成瀬が好きで映画を撮っていると語っていた。小津は家族を信じているが成瀬は信じて…