oohama5656's blog

日々の思いを言葉に出来るといいなあと、書いています。

田辺聖子を改めて読む2

短編集「感情旅行センチメンタルジャーニー」を始めて読んだ。その中で驚いたのは戦争体験からくる虚無感と怒りの感情の強さだった。たぶん、女性目線では生々しくて書けなかったのだろう、男性が主人公の短編集だ。最後の「玉島にて」が唯一、女性が主人公…

田辺聖子を改めて読む1

先日、田辺聖子さんが亡くなった。NHKのニュースでは「感傷旅行」で芥川賞をとられたと悼まれていた。ちょっと、違和感があった。賞をもらったという切り口しかないのか。「私的生活」などの恋愛もの、古典をかいつまんで解説したもの、評伝、源氏物語の現代…

「源氏物語」物語は、なぜ始まるか。巻8「宇治十帖」テーマは繰り返される。

源氏物語のラスト、「宇治十帖」は紫式部の作品なのかと、ずっと源氏オタクのなかで言われています。というのは、登場人物が欠点のある人ばかりであること、今までの華やかさがないからだと思います。書き切れてないところも多いですし。でも、今までいろん…

「源氏物語」物語は、なぜ始まるか。巻7「若菜」陰々滅滅編

「若菜」では、女三宮という女性が登場します。女三宮は源氏の元天皇の兄の娘です。兄が出家にあったって、有力者である源氏の正妻にという話が持ち上がります。最初はめんどくさいと断っていたのですが、藤壺のめいで美女であるということを知って受け入れ…

「源氏物語」物語は、なぜ始まるか。巻6「玉鬘」誘惑編

大学のゼミで主に勉強してたのは「玉鬘」の巻です。なぜか、ゼミの先生がこの巻であることを発見したからですね。でも、実際、この巻は波乱万丈でとても面白い巻でもあるのです。 ヒロインは物の怪に取り殺された女性夕顔の娘、玉鬘です。ちなみに玉鬘とは美…

「源氏物語」物語は、なぜ始まるか。巻5「若紫」転換編

「若紫」は母に亡くなられ、父に冷たくされている美少女が登場します。京都郊外の北山の寺にいる少女の愛らしさ、哀れさ、源氏物語の屈指の美しい場面です。それを覗き見る不幸な青年の純情。青春の哀愁です。そして、少女は青年に救い出されます。あまたの…

「源氏物語」物語は、なぜ始まるか。巻4「若紫」展開編

巻2で書いた通り、若紫が書かれたあと源氏物語は長編化したというのはほぼ事実だと断定されています。これは千年にわたる源氏研究者の集合知です。 源氏物語は貴族が落ちぶれて平家物語などの琵琶法師が音楽とともに語る軍記物がはやると廃れました。庶民が…

「源氏物語」物語は、なぜ始まるか。巻3「若紫」プロローグ

私が大学の国文科で源氏を学んだのは中学時代に貸本屋で読んだ白土三平の「忍者武芸帳」にはまったからです。代表作「カムイ伝」も団塊の世代しか知らないんじゃないかな。画家である白土の父は小林多喜二の盟友で共産党の活動家です。のちに脱会して、もの…

「源氏物語」物語は、なぜ始まるか。巻2「夕顔」

夕顔の花です。昔、近所にありましたが、夏の昼間早くに咲いてます で、「夕顔」の巻のはなし。光源氏が京都の下町に病気の乳母をお見舞いに行った帰り、ぶらぶらしていると風情のある夕顔がからんだ塀があったのですね。その家を興味深くのぞいてみると「め…

「源氏物語」物語は、なぜ始まるか。巻1「空蝉」

「空蝉」の一場面です 高校時代、国語の副読本の源氏物語の紹介ページが好きでした。美しい題名もだけど、どうしてこんな複雑な物語がつくれるのか不思議だった。「すずし」という夏の乳がすける着物がイラストが気になった。あれって実在するの、実在します…

映画「砂の器」雑感 

砂の器 デジタルリマスター版 発売日: 2016/11/02 メディア: Prime Video この商品を含むブログを見る 春日太一さんの「オール読物」の松本清張賞特集のひとつで脚本家橋本忍の追悼の「砂の器」論を読んでたまらなく懐かしくなったので、久しぶりに見てみた…

「昨日何食べた?」ホームドラマの行き着いた先

きのう何食べた?(15) (モーニング KC) 作者: よしながふみ 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2019/03/22 メディア: コミック この商品を含むブログを見る 12年間の連載でついに実写化されたよしながふみの「昨日何食べた?」、長年の読者である私も大興奮の…

川本三郎「成瀬巳喜男 映画の面影」記憶の扉をあけはなす。

そういえば、是枝裕和監督が推していて見た、成瀬巳喜男の「鶴八鶴次郎」思いもかけず面白かったなあと図書館で借りて読んでみた。戦前の寄席を舞台にしたもので、危なかっしい火をふんだんに使った芸や障碍者がでてくる。男女の中のイメージが強かったので…

映画「ボヘミアンラブソディ」クィーンをめぐる思いのあれこれ

II アーティスト: クイーン 出版社/メーカー: USMジャパン 発売日: 2011/03/16 メディア: CD この商品を含むブログを見る クィーンの「ボヘミアン・ラブソディ」が大ヒットしている。いい映画だし、あれこれ言っても、たいしたファンでない私が語ったところ…

恋愛と生活「ボクたちのBL論」サンキュータツオ 春日太一

よしながふみを読むようになってから、BLをちらっと読むようになった。今、マンガの世界では一番活気があるジャンルじゃないかな。ドラマチックな歴史解釈がある、よしながふみ、テレビ界のでたらめなお祭り気分を知った「東京心中」、ヤクザの情念に踏み込…

フランスは子育てが楽?「フランス人ママ記者、東京で子育てする」

彼女の夫のじゃんぽーる西さんの子育て漫画はなかなか楽しい。じゃあ、奥さんはどう思ってるんだろう。この本は奥さんのジャーナリスト経験がいかされて、子育てを通して、両国の文化の良さと問題がわかって、色々とヒントがある。 まず、夫との出会いが、彼…

遠藤周作「留学」

遠藤周作文学全集〈第2巻〉長篇小説(2) 作者: 遠藤周作 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 1999/06/01 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る だなと思った。 遠藤周作は、かつてネスカフェゴールドブレンドのCMから読むようになったから、狐狸庵先生…

信じる中野翠「あのころ、早稲田で」

図書館で 中野翠さんの書下ろしあるなって、でも、学生運動盛んなときの早稲田の青春なんて、私にかけ離れているなと思っていた。とのぞいてみたら、原民喜と友人の丸岡明一家が住んでいたアパートにいた子供が学生運動に参加するような青年に育ったが、若く…

詩集を読んでみる「原民喜詩集」

図書館で読んだ原民喜の「夏の花」を読み返したいと探していたら、2015年に岩波から詩集が出ているのに気がついた。梯久美子さんの本で紹介されていた詩がきちんと読めるのがうれしかったです。遠藤とのいきさつを描いた、小説「永遠のみどり」の木々の緑を…

原民喜を発見する「原民喜 死と愛と孤独の肖像」

「この世界の片隅に」関連作品を見てみたら、原民喜について語ったこの本が紹介されていた。作者の梯久美子さんは、映画「硫黄島からの手紙」の原案のひとつになった「散るぞ悲しきー硫黄島総指揮官・栗林忠道」で世に出た人だ。 私にとって原民喜は気が弱く…

水木しげる 魂の漫画展 漫画についてつらつらと

特別展・企画展|展示案内|龍谷大学 龍谷ミュージアム お彼岸のお寺の法要の帰りに「水木しげる 魂の漫画展」を見てきました。幼少期の絵画から代表作の原画。なかなかに充実した展示でした。最初にお弟子さんだった池上遼一さん出演の13分の映像。「クライ…

ジャニーズってなんだっただろう。芸能のおわり

滝沢秀明が引退としって、なんだか終末観にとらわれている。体調が悪いせいかな。私は決してジャニーズのファンじゃない。でも、気にはなる。言動から見てるとホストクラブのリーダーみたいな感じだ。なんか、体育会系の流れが続いて縮小するんだなと感じた…

「アンダーグラウンド」を再び読む

アンダーグラウンド (講談社文庫) 作者: 村上春樹 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 1999/02/03 メディア: 文庫 購入: 13人 クリック: 69回 この商品を含むブログ (217件) を見る 村上春樹すげえなあと思ったのは、「ねじ巻き鳥クロニクル」、「アンダーグラ…

あの頃何してた?「SUNNY 強い気持ち・強い愛」

sunny-movie.jp 「SUNNY 強い気持ち・強い愛」、ダンスと音楽、カラフルな映像、楽しかったなあ。あの頃のコギャルたちの自己主張、姉さんは、頼もしく見ておりました。元コギャルの篠原涼子、小室哲哉のもとで歌っていたのをいかしての熱演。バラエティに出…

デビット・リンチの謎

池袋の文芸座で上演権がそろそろ切れるというデビット・リンチの特集がやっていたので行ってきた。放映時、映画館で見たのはその当時愛読していた「デューン 砂の惑星」ぐらいなのだ。その後、見たのは高倉健が絶賛していた「ストレイト・ストーリー」。なぜ…

日本の女は悲しいか

もやっとして言えないんだけど 昔、「淋しいアメリカ人」という本を読んだとき、著者の桐島洋子が、アメリカの知的なキャリアウーマンが、使用人に育児や家事を丸投げしてバリバリ働いているのに、うっすらとした疑問を感じていると書かれていた。よく、アメ…

「夕凪の街 桜の国」幸せになることへの戸惑いから

www.nhk.or.jp ドラマになった「夕凪の街 桜の国」の川栄李奈さんの熱演をみて、この漫画が原爆の日の地上波で放映されているのをしみじみよかったなと思う。切望してみた、がらんがらんの映画館の映画は、いろんな意味でつらかった。まず、予算が俳優が、集…

「戦慄の記憶 インパール」初めて見えた記憶

www.nhk.or.jp 昔は戦場ものを避けてたのだが、映画「野火」を見てから、これは私の人生でいつか見た記憶だなあと感じられるようになった。そして、このドキュメンタリーをぼんやりと見始めた。まず、インパール作戦についてまるで知らなかった。そのなかで…

変化することへの祝祭「きのう何たべた?」

本棚の整理をしていたら、「きのう何食べた?」がでてきて、読み込んで、ほっこりしてしまった。最新刊を読みたいなあと思ったら、新刊が週末出るではないですか。 この漫画は、よしながふみさんのBLマンガのながれを継いでるお料理まんがと、とらえられてい…

ノスタルジーだけでは「焼肉ドラゴン」

映画館でえらく力が入っている宣伝を見て、よさそうだけど、今更、映画化かあって思った。韓国映画は韓流ブームが終わり、名作があっても、東京の名画座系の映画館でちょこっとかかるぐらいだ。まして、在日の人々のはなしだ。 原作は、弟が、原作の舞台を見…